「老化は“病”である」。世界保健機関(WHO)も肯定…驚愕の“新常識”1/4

2022.07.07 更新

「老化は治る」という新常識

「老化は治る」。このような表現に対し、読者の方はどう感じるでしょうか? 怪しい。胡散臭い。というのが一般的な反応かと思います。

しかし、最先端の研究者たちの間ではもはや常識になりつつあります。

正しくは、今から12年前の2010年5月10日には、ロンドン王立協会で「老化は治る」という認識が結論づけられているのです。

自由診療の医療機関を経営する立場として、このような話題には敏感でありますが、いよいよ、この“常識”が世間一般に認知されつつあると感じています。まさに夜明け前といったところですが、とはいえ半信半疑でもあるでしょう。論より証拠ということで、まずは【写真】をご覧ください。

これはある日本人女性の写真で、左右ともに同一人物です。左側は彼女が15歳だったころの写真で、その風貌は年齢相応といえます。ところが右側では、48歳時点の写真であるにもかかわらず、その風貌は80代の老婆を呈しています。これは、ある遺伝子異常により老化が加速する病気、「(早期)老化症」の症例写真なのです。(出展:ワシントン大学)

上記写真の「ウェルナー症候群」は、20歳を過ぎたころから急速に老化が進行する病気で、世界中にいる全患者のうち6割が日本人です。

呈する症状は、老年病(老年症候群)そのものです。糖尿病や高血圧などの生活習慣病、白内障、筋力低下(サルコペニア)、認知症などを伴います。読者の方が“老化”と聞いて想像する通りです。

数十年ぶりに再会した大学時代の同級生が、上記写真のような風貌や症状であったとしたら、驚愕を禁じ得ないのではないでしょうか?

ウェルナー症候群のように、遺伝子異常によって“老化”が加速し、若くして“老年病(老年症候群)”を発症する病気を、「(早期)老化症」と呼びます。不妊治療などで説明されるであろう、ダウン症候群なども含まれています。

公益社団法人長寿科学振興財団が提供する『健康長寿ネット』で、一覧表が確認できます。

では、原因である“遺伝子異常”を治療することができたならば? その患者は人並みの“老化”になるのではないだろうか? 加速した分の“老化”を、減速、あるいは、巻き戻すことができるのではないだろうか?

私たち健常者に対しても、無自覚のうちに加速している“老化”の分は、何かしらの積極的な介入で、減速、あるいは、巻き戻すことができるのではないだろうか?

そんな世界観が提示されるには十分な具体的な事例だと考えます。

※「老化は“病”である」。世界保健機関(WHO)も肯定…驚愕の“新常識” 4回の掲載(7/7、7/21、8/4、8/18)は「幻冬舎ゴールドオンライン」にも転載されました。