老化の本質:ここまで判明、老化を構成する12の項目

2024.07.09 更新

老化の特徴:老化を構成する12の項目

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従来、老化とは単なる生理現象との認識でしたが、昨今では、老化は治療が可能な疾患との認識が広まっています。

そうであるならば、老化の本質、正体はどの程度、判明しているのでしょうか。

ここでは、老化を12の構成要因に整理した論文を紹介します。

こちらの論文は、1000本以上の論文で実際に引用されています。

老化を構成する12項目については、“Hallmarks of aging”という概念として、30万本以上の論文で引用されているとも言われています。

この論文を無視して、老化や、老化治療を語ることは馬鹿げていいるでしょう。

ここでは、簡単に、各項目について概要を記載します。全体観が掴めれば十分です。

より詳しく知りたい方は、各項目のリンク先を参照して下さい。

 

1. 遺伝的不安定性

遺伝子の損傷や変異が蓄積することで、細胞の機能が低下し、老化を促進します。

2. テロメアの減少

染色体末端のテロメアが短くなることで、細胞分裂が停止し、老化が進行します。

3. エピジェネティックな変化

遺伝子の発現調節が変化し、細胞の機能が損なわれます。

4. タンパク質の恒常性の喪失

異常なタンパク質の蓄積が細胞機能を障害し、老化を引き起こします。

5. マクロオートファジーの障害

細胞内の不要な成分を分解するプロセスが低下し、老化が進みます。

6. 栄養感知の不規則化

栄養素の感知システムが乱れ、代謝異常が発生します。

7. ミトコンドリア機能障害

エネルギー生産が低下し、細胞の老化を加速します。

8. 細胞老化

分裂能力を失った細胞が増加し、組織の機能低下を招きます。

9. 幹細胞の枯渇

再生能力を持つ幹細胞の減少が組織の修復を妨げます。

10. 細胞間コミュニケーションの変化

細胞同士の情報伝達が変化し、組織の調和が乱れます。

11. 慢性炎症

持続的な炎症が組織の損傷を引き起こし、老化を促進します。

12. ディスバイオシス

腸内細菌のバランスが崩れ、健康に悪影響を与えます。

 

いかがでしたでしょうか。

それぞれの項目、深堀りすると、とても難解な内容です。

ここでは、一旦、「老化治療」とは、12の項目で解説されているが、これらの複合要因で成り立っているのだと伝われば十分です。

間違っても、何か単一の治療ですべてが解決する、などという暴論に騙されないようにして下さい。