シミ、くすみ、ニキビ、毛穴の開きに悩んでいませんか?少しでも肌の悩みを抱えると、それまで気になっていなかった悩みが次々に見つかって自信を失うこともあるのではないでしょうか。
そんな肌のお悩みには、ビタミンCとナイアシンアミドを併用することが改善に繋がる可能性があります。
この記事では、ビタミンCとナイアシンアミドの2つの成分の相乗効果と正しい使用方法を詳しく解説します。美白効果やニキビ改善、エイジングケアなど、美肌ケアをサポートする可能性を知って、自信に満ちた肌を手に入れましょう。
以下の記事では、ビタミンCと相性が良いスキンケア・相性の悪いスキンケアについて紹介しているため、ぜひ合わせて参考にしてください。
>>ビタミンCと相性が良いスキンケアとは?相性の悪いスキンケアも紹介
目次
ビタミンCとナイアシンアミドの併用による美肌への作用
スキンケアは肌の健康維持に不可欠です。ビタミンCとナイアシンアミドの併用は、多くの人が関心を持つ話題です。成分を組み合わせることで、単独使用よりも高い美肌効果が期待できます。ビタミンCとナイアシンアミドの併用により、以下の3つの美肌効果が期待できます。
- 美白効果
- ニキビ改善効果
- エイジングケア効果
美白効果
ビタミンCとナイアシンアミドの併用は、美白効果を高めます。ビタミンCは、シミの元となるメラニンの生成を抑える働きがあります。メラニンは紫外線などの刺激から肌を守るために作られますが、過剰に生成されるとシミやそばかすの原因となります。ビタミンCは、メラニンの生成を抑える効果があります。
ナイアシンアミドは、メラニンが生成された後、肌の表面に移動するのをブロックします。メラニンが肌の表面に移動するのを防ぐ、優秀な門番の役割を果たします。2つの成分を併用することで、メラニンの生成を抑え、さらに肌表面への移動も防ぐという、二重のブロック効果により、美白を目指すことができます。
ニキビ改善効果
ビタミンCとナイアシンアミドの併用は、ニキビの改善に効果的です。2つの成分はそれぞれ異なるメカニズムで作用し、相乗効果を発揮します。
- ビタミンC
ビタミンCは強力な抗炎症作用を持ち、すでにできたニキビの炎症を鎮静化します。コラーゲンの生成を促進し、肌の再生を助けるため、ニキビ跡の改善にも寄与します。 - ナイアシンアミド
ナイアシンアミドは、皮脂腺の働きを調整し、過剰な皮脂分泌を抑制します。毛穴が詰まりにくくなり、ニキビの発生を防ぐことができます。また、肌のバリア機能を強化し、外部刺激から肌を守る役割も果たします。
ビタミンCとナイアシンアミドを併用することで、ニキビの予防と改善が期待できます。ナイアシンアミドが皮脂の過剰分泌を抑え、ビタミンCが炎症を軽減することで、ニキビの発生を抑えると同時に、既存のニキビの治癒を促進します。
エイジングケア効果
ビタミンCとナイアシンアミドの併用は、総合的なエイジングケアをもたらします。2つの成分はそれぞれ異なるメカニズムで作用し、肌の若々しさを保つために重要な役割を果たします。
ビタミンCは、コラーゲンの生成を促進し、肌のハリと弾力を向上させます。コラーゲンは肌の構造を支える重要なタンパク質であり、年齢とともにその生成が減少します。ビタミンCを使用することで、コラーゲンの合成が促進され、肌の弾力性が改善されることが期待できます。
ナイアシンアミドは、肌のバリア機能を強化し、外部刺激から肌を保護します。乾燥や環境ストレスから肌を守り、肌の水分保持能力を向上させることができます。また、抗炎症作用も持ち、肌の赤みや刺激を軽減する効果があります。
ビタミンCとナイアシンアミドを併用することで、肌のハリや弾力を向上させると同時に、外部からの刺激に対する防御力を高めることができます。ビタミンCとナイアシンアミドにより、エイジングケアにおいて相乗効果が得られ、より健康的で若々しい肌を維持することが可能です。
ビタミンCとナイアシンアミドの効果
ビタミンCとナイアシンアミドのそれぞれの美肌効果について解説します。2つの成分の特性と効果を理解することで、より効果的な肌ケアが可能です。
ビタミンCの美肌効果
ビタミンCは、私たちの肌にとって大切な栄養素です。ビタミンCには、主に3つの効果があります。3つの効果によって、ビタミンCは私たちの肌を健康で若々しく保ってくれます。それぞれの効果については以下のとおりです。
抗酸化作用
ビタミンCの重要な効果の一つが、抗酸化作用です。私たちの肌は、紫外線や大気汚染、ストレスなどに晒されており、肌の中で「活性酸素」を作り出します。活性酸素は肌の細胞を傷つける、シワやたるみの原因です。
ビタミンCは、活性酸素から守る抗酸化物質として知られています。ビタミンCが活性酸素を無害化することで、肌の細胞は傷つかずに済みます。ビタミンCにより、肌は健康で若々しい状態を保つことができるのです。
コラーゲン生成促進
ビタミンCの2つ目の効果は、コラーゲン姿勢促進です。コラーゲンは、肌の弾力やハリを支える大切な成分です。年齢とともに、私たちの肌は自然とコラーゲンを作る力が弱くなって、肌のハリやツヤが失われます。
ビタミンCを使うことで、肌の中でコラーゲンがたくさん作られるようになります。肌にハリが出て、若々しい印象を保てるのです。
メラニン生成抑制
ビタミンCの3つ目の効果は、メラニン生成抑制です。メラニンは、私たちの肌を紫外線から守るために作られる色素ですが、過剰に作られるとシミやそばかすの原因になります。ビタミンCは、このメラニンの生成を抑制する力があります。ビタミンCがメラニンの生成を適度に抑えることで、シミやそばかすができにくくなります。
ビタミンCには、すでにできてしまったシミを薄くする効果もあります。ビタミンCは、ビタミンCが肌の新陳代謝を促進し、古い肌細胞を新しい細胞に置き換える手助けをするからです。結果として、肌のトーンが明るくなり、透明感のある肌を手に入れることができます。
ナイアシンアミドの美肌効果
ナイアシンアミドは、ビタミンB3の一種で、さまざまな美肌効果があります。主に3つの効果があり、私たちの肌をきれいかつ健康に保ちます。それぞれの効果については以下のとおりです。
皮脂分泌抑制
ナイアシンアミドの1つ目の効果は、皮脂分泌抑制です。私たちの肌には、「皮脂」という油分があります。皮脂は肌を守るために大切なものですが、多すぎると問題が起きます。顔がテカテカしたり、ニキビができたりします。ナイアシンアミドは、皮脂量を適切に保つ手伝いをしてくれるのです。
皮脂を作る細胞に働きかけて、皮脂の生産を抑えます。皮脂の生産を抑えることで、肌の表面がベタベタしたり、毛穴が詰まったりするのを防ぎます。ナイアシンアミドは肌の油分バランスを整えることで、肌トラブルを改善してくれるのです。
保湿作用
ナイアシンアミドの2つ目の効果は、保湿作用です。私たちの肌は、常に水分を必要としています。水分が足りないと、肌がカサカサしたり、小ジワができたりします。ナイアシンアミドは肌の表面に薄い膜を作り、水分が逃げるのを防ぎます。肌の奥深くまで水分を届ける手伝いもします。ナイアシンアミドは肌の水分を保つことで、乾燥による肌トラブルを改善する手助けをしてくれるのです。
肌バリア機能強化
ナイアシンアミドの3つ目の効果は、肌バリア機能の強化です。肌バリア機能の強化は、敏感肌や肌荒れで悩んでいる人にとって、心強い効果です。私たちの肌は、外からの刺激(例えば、紫外線や乾燥、ほこりなど)から身を守るために、「バリア機能」を持っています。バリア機能が弱くなると、肌荒れや炎症が起きやすくなります。
ナイアシンアミドは肌の表面にある細胞同士のつながりを強くします。肌のバリア機能を強くすることで、外からの刺激による肌トラブルを防ぐ手助けをしてくれるのです。ナイアシンアミドには抗炎症作用もあり、症状の緩和に役立つ可能性があります。効果には個人差があるため、使用前に専門医へ相談することをおすすめします。A
ビタミンCとナイアシンアミドの併用方法と注意点
ビタミンCとナイアシンアミドの併用は、スキンケアにおいて有効な組み合わせです。しかし、正しい使用方法を知らないと、期待する効果が得られないばかりか、肌トラブルを引き起こす可能性もあります。
ビタミンCとナイアシンアミドの成分の効果的な使用方法と注意点について解説します。
併用時の適切な濃度と使用方法
ビタミンCとナイアシンアミドを併用する際は、適切な濃度を選択することが重要です。一般的に推奨される濃度は以下のとおりです。
- ビタミンC:2〜10%
- ナイアシンアミド:2〜5%
2つの濃度は、多くの研究結果や臨床経験にもとづいて設定されています。例えば、2005年の研究では、5%のナイアシンアミドを含む製品が肌のバリア機能を改善し、皮脂の分泌を抑制することが示されています(Draelos et al.、 2005)。
初めて使用する場合は、低濃度から始めることをおすすめします。具体的な手順は以下のとおりです。
- ステップ1:ビタミンCとナイアシンアミドをそれぞれ単独で使用し、肌の反応を確認する
- ステップ2:問題がなければ、低濃度の製品から併用を開始する
- ステップ3:肌の状態を観察しながら、徐々に濃度を上げていく
ビタミンC配合の化粧水を使用する場合、まずはビタミンC濃度が低いものから試してみるのも良いです。ナイアシンアミドも同様です。使用中に赤みやかゆみなどの症状が現れた場合は、直ちに使用を中止し、皮膚科医に相談することが重要です。
注意点を守ることで、ビタミンCとナイアシンアミドの効果を最大限に引き出しつつ、肌トラブルのリスクを最小限に抑えることができます。
併用する際の順番とタイミング
ビタミンCとナイアシンアミドを併用する際の順番とタイミングは、効果を最大化するために重要な要素です。「ビタミンC配合製品」→「ナイアシンアミド配合製品」の順番で使用してください。ビタミンCは水溶性で、肌への浸透性が高いため、先に使用します。一方、ナイアシンアミドは比較的安定した成分で、ビタミンCの後に使用しても効果が損なわれにくいです。使用のタイミングについては、以下のような方法が効果的です。
- 朝:ビタミンC配合製品を使用(抗酸化作用で日中の紫外線ダメージから肌を守る)
- 夜:ナイアシンアミド配合製品を使用(夜間の肌再生をサポート)
個人の肌質や生活リズムによって最適なタイミングは異なる場合があります。自分の肌の状態を観察しながら、最適な使用方法を見つけることが大切です。
併用で起こりうる副作用と対処法
ビタミンCとナイアシンアミドは一般的に安全性の高い成分ですが、併用することで一部の人に副作用が現れる可能性があります。主な副作用とその対処法は以下のとおりです。
- 赤み
- かゆみ
- 刺激感
上記の症状は、肌が新しい成分に慣れていないことや、濃度が高すぎることが原因である可能性があります。下記の3つの対処法を知っておくと、より安心して使用できます。
- 使用を一時中止し、症状が落ち着くまで様子を見る
- 症状が改善したら、より低濃度の製品から再開する
- 症状が続く場合は、皮膚科医に相談する
個人差が大きいため、自分の肌の反応を注意深く観察することが重要です。
併用に適さない肌質
ビタミンCとナイアシンアミドの併用は多くの人に効果的ですが、特定の肌質の人には注意が必要です。特に注意が必要な肌質は以下のとおりです。
- 敏感肌
- アトピー性皮膚炎
- 極度の乾燥肌
上記の肌質の人は、肌のバリア機能が弱っていたり、刺激に敏感だったりする可能性が高いです。そのため、ビタミンCとナイアシンアミドの併用で刺激を感じやすい傾向があります。肌質が適しているかどうか判断する場合は、以下の方法を試しましょう。
- パッチテストを行い、肌の反応を確認する
- 極めて低濃度の製品から始める
- 使用頻度を控えめにする(例:週1〜2回から開始)
- 保湿を十分に行い、肌のバリア機能を強化する
適切な使用方法を守ることで、敏感肌の人でもビタミンCとナイアシンアミドの成分の恩恵を受けられる可能性があります。
併用可能な他の美肌成分
ビタミンCとナイアシンアミドは、他の美肌成分と併用することで相乗効果が期待できます。特に相性の良い成分は以下のとおりです。
- レチノール:シワ改善、毛穴引き締め効果
- セラミド:肌バリア機能強化、保湿効果
- ヒアルロン酸:高い保湿力
成分を適切に組み合わせることで、以下のように総合的なスキンケア効果を得ることができます。
- 朝:ビタミンC→ナイアシンアミド→ヒアルロン酸→日焼け止め
- 夜:レチノール→セラミド→ナイアシンアミド
ただし、複数の有効成分を同時に使用する場合は、肌への負担が大きくなる可能性があります。そのため、以下の点に注意が必要です。
- 新しい成分は一つずつ導入し、肌の反応を確認する
- 成分同士の相性を考慮し、適切な順序で使用する
- 肌の状態に応じて使用頻度や濃度を調整する
上記の注意点を守ることで、ビタミンCとナイアシンアミド、そして他の美肌成分を効果的に組み合わせ、理想の肌へと近づくことができます。
併用を避けたほうが良い成分
ビタミンCやナイアシンアミド配合のスキンケア製品は、基本的には他の医薬品との併用も可能ですが、一部併用を避けたほうが良い医薬品もあります。
- トレチノイン
- 過酸化ベンゾイル
- ピーリング作用のある医薬品
上記の医薬品とビタミンCを併用すると、肌への刺激が強くなる可能性があります。併用を検討する場合は、必ず医師や薬剤師に相談することをおすすめします。特に、皮膚科で処方される外用薬との併用を考えている場合は、医師の指示に従うことが重要です。
自分の肌質や悩みに合った製品を選択することで、より効果的なスキンケアが可能になります。
スキンケアにおいておすすめの成分「レチノール」は、ビタミンCと併用できます。以下の記事では、ビタミンCとレチノールの併用に関して詳しく解説しているので、ぜひチェックしてください。
>>ビタミンCとレチノールは併用してもいい?効果的なスキンケアを医師が解説
ビタミンCとナイアシンアミドのおすすめ製品と選び方
近年、ビタミンCとナイアシンアミドの成分を組み合わせたスキンケア製品が増加し、一般消費者にも手に入りやすくなりました。ビタミンCとナイアシンアミド配合製品を選ぶ際は、主に「成分配合量」「使用感」の2つに注目することが重要です。
成分配合量は製品の効果に直結します。一般的に、ビタミンCは2〜10%、ナイアシンアミドは2〜5%の濃度が推奨されています。ただし、高濃度が必ずしも効果的とは限りません。過度に高い濃度は肌への刺激を強め、トラブルを引き起こす可能性があります。特に敏感肌の方は、低濃度の製品から始めることをおすすめします。
使用感は継続使用の鍵となります。テクスチャや香りが自分に合っているか、使い心地が良いかは、長期的な使用を左右する重要な要素です。可能であれば、サンプルやトライアルセットで試してから購入することをおすすめします。
まとめ
ビタミンCとナイアシンアミドは、美肌ケアをサポートする組み合わせとして注目されています。主な効果は以下のとおりです。
- 美白効果
- ニキビ改善
- エイジングケア
また使用時には以下の内容を注意点する必要があります
- 適切な濃度を守る(ビタミンC: 2〜10%、ナイアシンアミド: 2〜5%)
- 使用順序を守る(ビタミンC → ナイアシンアミド)
- 敏感肌の方は肌トラブルに注意する
他の美肌成分との併用も可能ですが、個人の肌質に合わせて選択することが重要です。正しい使用方法を守り、理想の肌に近づけましょう。
ビタミンCによるシミ改善の基本について以下の記事で解説しているため、ぜひチェックしましょう。
>>【医師監修】ビタミンCはシミに効果的?シミ改善の基本を徹底解説
参考文献
- Park HJ, Byun KA, Oh S, Kim HM, Chung MS, Son KH, Byun K. “The Combination of Niacinamide, Vitamin C, and PDRN Mitigates Melanogenesis by Modulating Nicotinamide Nucleotide Transhydrogenase.” Molecules (Basel, Switzerland) 27, no. 15 (2022).
- 皮膚老化の主な要因と、老化に伴う皮膚細胞老化の結果に対処するための有効成分
- 紫外線による色素沈着抑制に効果的な14種類の分子を対象としたベイズネットワークメタアナリシス