アンチエイジングに効果的な食べ物|食生活のポイントや簡単レシピも紹介

2024.10.02 更新

鏡を見るたびに「最近、肌のハリが減ったかも」「疲れた印象に見える…」と感じていませんか?実は、老化は自然な現象ですが、スピードを左右する要素は、毎日の食事に隠されています。老化の原因になる活性酸素は、呼吸をするだけでも生まれます。紫外線やストレス、喫煙などによっても増加し、細胞を酸化させてしまいますが、諦める必要はありません。

この記事では、老化を加速させる食事と、細胞を活性化し、若々しさを保つアンチエイジング効果が期待できる食事について解説していきます。いつまでも若々しく、健康的な毎日を送るためのヒントが満載です。

アンチエイジングに効果的な食べ物

年齢を重ねるとともに、誰もが気になるのはお肌や体の変化です。老化は自然な現象ですが、老化スピードを緩やかにし、いつまでも若々しく健康でいるためには毎日の食事が重要です。ここでは、アンチエイジングに効果的な食べ物を紹介します。

抗酸化作用のある食べ物

「抗酸化」は最近よく耳にする言葉です。私たちの体は呼吸をするたびに、体内に「活性酸素」という物質を作り出しています。活性酸素が適量であれば、細菌やウイルスから体を守るという、警察官のような役割を果たしてくれます。

しかし、ストレスや喫煙、紫外線や大気汚染など、現代社会には活性酸素を増やす要因があふれており、知らず知らずのうちに活性酸素が過剰になる方が多いです。活性酸素が増えすぎると、正常な細胞まで攻撃し始め、体のさびつき「酸化」を引き起こしてしまうのです。

鉄が酸化するとさびてボロボロになるように、私たちの体も活性酸素によって酸化が進むと、細胞や組織がダメージを受けます。さまざまな老化現象が現れて、動脈硬化やがん、認知症や白内障なども、活性酸素が関与していると考えられています。

抗酸化作用は、増えすぎた活性酸素を取り除き、細胞のダメージを修復してくれるはたらきをします。私たちの体には本来、活性酸素を抑制する機能が備わっていますが、加齢とともに機能は低下してしまいます。抗酸化物質を豊富に含む食べ物を積極的に摂取することで、体の内側からサビを防ぎ、老化のスピードを緩やかにできます。

老化の原因になる活性酸素を抑える食べ物

一般的に色の濃い野菜や果物には、抗酸化作用を持つ成分が豊富に含まれています。トマトのリコピンは、活性酸素のはたらきを抑え、動脈硬化や心筋梗塞などのリスクを下げる効果が期待できます。トマトを加熱するとリコピンの吸収率がアップするため、トマトソースやトマトジュースなどもおすすめです。

ブルーベリーやぶどうのアントシアニンは、眼精疲労の改善や視力低下の予防効果、美肌効果などが期待できます。緑茶のカテキンは、抗酸化作用だけでなく、脂肪の吸収を抑えたり、血糖値の上昇を穏やかにしたりする効果も期待できます。

効果的に摂取するには、毎日の食事に彩りを加えることを意識してみましょう。朝食にヨーグルトとブルーベリー、昼食にサラダと一緒にトマト、夕食にほうれん草のおひたし、食後のお茶に緑茶などを取り入れてみてはいかがでしょうか。

食生活のバランスは老化だけでなく、たるみにもつながります。老化防止の効果がある食事について、以下の記事で詳しく解説しているので、より深く知りたい方はぜひご覧ください。
>>老化防止に効果がある食べ物は?食事で若返る方法を徹底解説

若々しさを保つ栄養素

若々しさを保つためには、抗酸化作用の高い食品だけでなく、さまざまな栄養素をバランスよく摂ることが重要です。タンパク質は、筋肉や骨、臓器、皮膚、髪、爪など、私たちの体を構成する重要な成分です。

加齢とともに筋肉量は減少し、基礎代謝が低下しやすくなります。基礎代謝が低下すると、太りやすくなるだけでなく、疲れやすさや冷え症の原因にもなります。タンパク質は、肉や魚、卵、大豆製品などに多く含まれています。

コラーゲンも美肌作りに欠かせない成分です。コラーゲンは、肌の弾力を保ち、シワやたるみを予防する効果があると言われています。鶏皮や豚足、魚の煮こごりなどに多く含まれています。コラーゲンは分子が大きいため、そのまま摂取しても体内で効率よく利用されにくい特徴があります。

コラーゲンの吸収率を高めるためには、ビタミンCを一緒に摂ることがおすすめです。ビタミンCは、コラーゲンの生成を助けるはたらきがあるため、相乗効果が期待できます。栄養素をバランスよく摂取することで、体の内側から若々しさを保つことが可能です。

アンチエイジングにおすすめの食材

日々の食生活を少し変えるだけでも、アンチエイジングに効果が期待できます。ここでは、アンチエイジングにおすすめの食材を5つご紹介します。

  • ビタミンEを多く含むナッツ類
  • ビタミンCが豊富な果物
  • 抗酸化作用を持つポリフェノールを含む食材
  • タンパク質豊富な大豆製品
  • アンチエイジング効果もある納豆

ビタミンEを多く含むナッツ類

ビタミンEは、細胞の老化を防ぐはたらきがある抗酸化ビタミンとして知られており、細胞膜の酸化を防ぎ、細胞を健康な状態に保つ役割を担っています。細胞が酸化すると、正常な機能が損なわれ、老化や病気のリスクが高まります。ビタミンEは、酸化を防ぐことで、細胞の老化を遅らせ、健康寿命を延ばす効果が期待できます。

ビタミンEは、アーモンドやくるみ、ヘーゼルナッツなどのナッツ類に豊富に含まれています。ナッツ類は、おやつとして手軽に食べられるのも嬉しいポイントです。

ナッツの種類 ビタミンE含有量(100gあたり) その他の栄養素
アーモンド 31.1mg タンパク質や食物繊維、ビタミンB2、マグネシウムなど
くるみ 12.0mg オメガ3脂肪酸やポリフェノール、亜鉛など
ヘーゼルナッツ 15.3mg タンパク質や食物繊維、鉄、銅など

小腹が空いたときに、アーモンドを1日20粒程度食べるようにすると、効率よくビタミンEを摂取できます。ビタミンEは脂溶性ビタミンなので、油と一緒に摂取すると吸収率がアップします。サラダにナッツをトッピングしたり、オリーブオイルと合わせてドレッシングにしたりするのもおすすめです。

ビタミンCが豊富な果物

ビタミンCもビタミンEと同様に強い抗酸化作用を持つビタミンです。レモンやイチゴ、キウイフルーツやオレンジなどの果物に多く含まれています。ビタミンCは、コラーゲンの生成にも関わっており、肌のハリや弾力を保つためにも欠かせません。

ビタミンCは、水溶性ビタミンなので、こまめに摂取することが大切です。果物をそのまま食べるのがおすすめですが、スムージーやヨーグルトに混ぜるのも良いです。

果物の種類 ビタミンC含有量(100gあたり) その他の栄養素
レモン 50mg クエン酸、カリウム
イチゴ 62mg 葉酸、カリウム、アントシアニン
キウイフルーツ 93mg 食物繊維、カリウム、葉酸
オレンジ 50mg カリウム、葉酸

ビタミンCは、ストレスや喫煙、紫外線などによっても消費されやすい栄養素です。現代社会では、ストレスや環境汚染など、ビタミンCを大量に消費してしまう要因が多くあります。積極的にビタミンCを摂取することで、体の酸化を防ぎ、免疫力を高められます。

抗酸化作用を持つポリフェノールを含む食材

ポリフェノールは、植物が紫外線や害虫から身を守るために作り出す成分で、強い抗酸化作用があります。赤ワインやブルーベリー、緑茶やココアなどに多く含まれています。ポリフェノールは、活性酸素による細胞のダメージを抑え、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

ポリフェノールは、さまざまな食品に含まれているので、毎日の食事の中でバランス良く摂取することが大切です。

食材 含まれるポリフェノール その他の効果
赤ワイン レスベラトロール 血糖値の上昇を抑える
ブルーベリー アントシアニン 眼精疲労の改善
緑茶 カテキン 抗菌作用、脂肪燃焼効果
ココア カカオポリフェノール 血圧を下げる効果

ポリフェノールを効率よく摂取するためには、習慣的に摂取することが重要です。毎晩の晩酌に赤ワインをグラス1杯程度飲んだり、食後のデザートにブルーベリーヨーグルトを食べたりするのも良いです。。

タンパク質豊富な大豆製品

タンパク質は、筋肉や骨、血液など、私たちの体を作るために欠かせない栄養素です。豆腐や納豆、味噌などの大豆製品には、良質なタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質は、新しい細胞を作り出すためにも必要なので、積極的に摂取することで、肌のターンオーバーを促進し、シワやたるみを予防できます。

大豆製品 タンパク質含有量(100gあたり) その他の栄養素
豆腐(絹) 5.3g カルシウム、イソフラボン
納豆 16.5g ビタミンK、ナットウキナーゼ
味噌 11.3g ビタミンB群、乳酸菌

大豆製品は、毎日の食事に簡単に取り入れられるのも魅力です。朝食に納豆を食べたり味噌汁に豆腐を入れたり、夕食に麻婆豆腐を作ると、さまざまなバリエーションで楽しめます。動物性タンパク質に偏りがちな食生活を送っている方は、意識して大豆製品を取り入れてみましょう。

アンチエイジング効果もある納豆

納豆は、大豆を発酵させて作る日本独自の食品です。発酵食品特有のうま味があり、ご飯のお供としてだけでなく、さまざまな料理にアレンジしやすいことも魅力です。納豆には、老化防止に効果的な成分も豊富に含まれています。

納豆に含まれるポリアミンという成分は、細胞の老化を防ぎ、動脈硬化の予防効果も期待できます。細胞は、常に新しい細胞が作られ、古い細胞と入れ替わることで健康な状態を保っています。加齢やストレス、生活習慣の乱れなどにより、細胞の老化が進むと、新しい細胞が作られにくくなり、さまざまな老化現象が現れてきます。

ポリアミンは、細胞の老化を抑制し、細胞の寿命を延ばすはたらきがあると考えられており、動脈硬化や認知症、がんなどの病気の予防にも効果が期待されています。納豆には、ポリアミン以外にも、タンパク質やビタミンB2、ビタミンEやカリウムなどが含まれています。納豆は、味噌汁やパスタ、炒め物など、さまざまな料理に活用できるので摂取しやすいです。

今日から始めるアンチエイジング

アンチエイジングは毎日の生活習慣の中で、少しだけ意識を変えるだけで今日からでも始められます。食事も重要な要素の一つです。

実際に食生活が乱れている方は多いです。睡眠不足やストレスももちろん老化を進める要因ですが、毎日の食事がお肌や体の調子に直結しています。普段の食事で意識できることを解説します。

よく噛んで食べる

よく噛んで食べることは、アンチエイジングだけでなく、健康全体にとっても良い影響を与えます。食べ物をよく噛むことで、唾液の分泌が促進され、消化を助けるだけでなく、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぐ効果も期待できます。

顔の筋肉を使うことで、表情筋が鍛えられ、たるみやシワの予防にもつながります。若い方でも、スマホを見ながら、あまり噛まずに食事をしていると、将来的に顔がたるみやすくなる可能性があります。食事をする際には、一口30回を目安に、ゆっくりと時間をかけて味わうように意識してみましょう。

腹八分目を心がける

お腹いっぱいまで食べずに、腹八分目を心がけることも、アンチエイジングには効果的です。食べ過ぎは、胃腸に負担をかけ、消化不良や代謝の低下につながるだけでなく、老化の原因になる活性酸素を増加させてしまう可能性があります。

食事の量は個人差がありますが、自分の満腹感を意識し、少し物足りない程度で食事を終えるように心がけましょう。欧米人に比べて、日本人は胃腸が弱い人が多いので、腹八分目を意識することは特に重要です。

老化を促進するアンチエイジングに不適切な食べ物

私たちの毎日の食生活の中には、知らず知らずのうちに老化を促進してしまう食べ物も存在します。老化は自然な現象ですが、スピードを速めてしまう食べ物を避けることで、いつまでも若々しく、健康的な体を保てます。老化を促進するNG食べ物について、詳しく解説します。

食品添加物を避ける

食品添加物は、食品の保存性を高めたり、味や見た目を良くしたりするために使われるものです。食品添加物は、私たちの体を構成する細胞にダメージを与え、老化を促進する可能性が懸念されています。ハムやソーセージなどの加工肉に含まれる発色剤の亜硝酸ナトリウムは、体内でニトロソアミンという発がん性物質に変化する可能性が指摘されています。

インスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水などに含まれるリン酸塩は、カルシウムの吸収を阻害し、骨を弱くする可能性があります。一部の着色料や保存料には、アレルギー症状を引き起こす可能性も報告されています。

食品添加物は、現代の食生活において、完全に避けることは難しいです。食品添加物の影響を最小限に抑えるために、以下のポイントを心がけましょう。

  • 加工食品の摂取量を減らし、できるだけ新鮮な食材を使った料理を選ぶ
  • 食品表示をよく確認し、食品添加物の種類や量を把握する
  • 無添加食品や減添加食品を積極的に選ぶ

小さな積み重ねが、あなたの健康を守り、老化のスピードを緩やかになる傾向があります。

酸化した食品を避ける

酸化した食品とは、空気に触れたり光や熱に当たったりすることで、品質が劣化してしまった食品のことです。酸化した食品には、細胞を傷つける活性酸素を発生させる物質が多く含まれています。

活性酸素は、老化やさまざまな病気の原因の一つと考えられています。古い油で揚げた天ぷらやフライ、ポテトチップスなどのスナック菓子は、酸化が進みやすく、活性酸素を発生しやすい食品です。賞味期限切れの食品や、開封後時間が経った食品も、酸化が進んでいる可能性があります。

酸化した油は、独特の嫌な臭いがして、ポテトチップスなどは色が濃くなってきます。「この油、いつ買ったかな?」「ちょっと古いけど、まだ大丈夫かな?」と、食品の状態をよく確認することが大切です。酸化した食品を避けるためには、以下の点に注意しましょう。

  • 油は新鮮なうちに使い切るようにする
  • 揚げ物や炒め物など、油を使う料理はできるだけ控えめにする
  • 賞味期限を守り、開封後は早めに食べきる
  • 食品を保存する際は、直射日光や高温多湿を避けて密閉容器に入れる

上記のポイントを心がけることで、酸化した食品による健康への悪影響を減らせます。

高脂肪食を控える

高脂肪食は、肥満や生活習慣病の原因になるだけでなく、老化を促進する可能性も指摘されています。脂肪を摂りすぎると、体内で活性酸素が発生しやすくなるためです。脂肪分の多い食事は、消化に時間がかかるため、胃腸に負担がかかりやすく、内臓の老化につながる可能性もあります。

高脂肪食を控えるためには、以下のポイントを意識しましょう。

  • 揚げ物や炒め物など、油を多く使う料理は控えめにする
  • 肉類よりも魚類を積極的に食べる
  • 乳製品を選ぶ際は、低脂肪乳や無脂肪ヨーグルトなどを選ぶ
  • アボカドやナッツ類など、良質な脂質を適量摂取する
  • バランスの取れた食事を心がけ、特定の栄養素に偏らないようにする

意識することで、脂肪の摂りすぎによる健康への悪影響を減らし、いつまでも若々しい体を保てます。

まとめ

アンチエイジングには、抗酸化作用のあるビタミンAやC、Eやポリフェノールを多く含む食品を摂り、活性酸素を抑制することが重要です。

具体的には、ビタミンEを多く含むナッツ類、ビタミンCが豊富な果物、ポリフェノールを含むブルーベリーや緑茶、タンパク質豊富な納豆や豆腐などを積極的に食事に取り入れましょう。逆に、老化を促進させる可能性がある食品添加物や酸化した食品、高脂肪食はなるべく控えてください。

そもそもアンチエイジングではどんなことをすれば良いのか、期待できる効果やおすすめの方法を網羅的に解説しているのでぜひご覧ください。
>>アンチエイジングは何をすればいい?アンチエイジングの基礎基本を徹底解説

参考文献

Bernabei R, Landi F, Calvani R, Cesari M, Del Signore S, Anker SD, Bejuit R, Bordes P, Cherubini A, Cruz-Jentoft AJ, Di Bari M, Friede T, Gorostiaga Ayestarán C, Goyeau H, Jónsson PV, Kashiwa M, Lattanzio F, Maggio M, Mariotti L, Miller RR, Rodriguez-Mañas L, Roller-Wirnsberger R, Rýznarová I, Scholpp J, Schols AMWJ, Sieber CC, Sinclair AJ, Skalska A, Strandberg T, Tchalla A, Topinková E, Tosato M, Vellas B, von Haehling S, Pahor M, Roubenoff R, Marzetti E and SPRINTT consortium. Multicomponent intervention to prevent mobility disability in frail older adults:randomised controlled trial (SPRINTT project). BMJ (Clinical research ed.) 377, no. (2022): e068788.