老化防止に効果がある食べ物は?食事で若返る方法を徹底解説

2024.07.22 更新

「老化防止ができる食べ物を知りたい」

そのように考えているあなたに向けて、この記事では、老化防止に効果的な食材の選び方や具体的な食事法について詳しく解説します。適切な食生活によって、老化の進行を緩やかにすることが可能です。

老化の原因となる活性酸素を減らし、新陳代謝を活発に保つための方法を知ることで、若々しい肌と健康を維持できます。日々の食事に少しの工夫を加えるだけで、長期的な健康と美しさを目指せるので必見です。老化を防ぎ、健康的な生活を送るための食事法をマスターしましょう。

そもそもの「老化の原因と対策」について別記事で紹介しているので、ぜひ合わせてご確認ください。
>>老化の原因と対策!なぜ起こるのか?何歳から始めるべきかを徹底解説

老化防止に効果的な食材の選び方とは

老化は避けられない自然な過程ですが、適切な食生活を通じて進行を緩やかにすることができます。老化防止に効果的な食材を選ぶことで、より長く健康的な生活を送ることが可能です。

新陳代謝は、私たちの体内で常におこなわれている細胞の生まれ変わりのプロセスです。この新陳代謝が活発であれば、肌のターンオーバーも促進され、若々しい肌を保つことができます。しかし、加齢とともに新陳代謝のスピードは低下します。

細胞の生まれ変わりの過程で発生する活性酸素は、老化の主な要因の一つです。活性酸素は、呼吸で取り込んだ酸素の一部が変化したもので、細胞を傷つけ、老化を促進します。紫外線・ストレス・喫煙などによっても活性酸素は増加します。

老化防止のためには、以下の2点が重要です。

  • 活性酸素による細胞へのダメージを減らす
  • 新陳代謝を活発に保つ

抗酸化作用の高い栄養素や、新陳代謝を助ける栄養素を含む食材を積極的に摂取することが効果的です。

動物性タンパク質の適切な摂取方法

タンパク質は、筋肉・骨・皮膚など、体のあらゆる組織を構成する重要な栄養素です。動物性タンパク質にはコラーゲンの材料となるアミノ酸が豊富に含まれており、肌のハリを保つのに役立ちます。

良質な動物性タンパク質源として、以下の食品が挙げられます。

  • 肉類(鶏むね肉・豚ひれ肉・牛もも肉など)
  • 魚類(まぐろ・さけなど)
  • 乳製品(牛乳・ヨーグルトなど)

バランスよく摂取することが重要です。目安として、一日あたり100gの動物性タンパク質を摂取することをおすすめします。

食品 100g あたりのタンパク質量
鶏むね肉(皮なし) 約23g
豚ひれ肉 約22g
牛もも肉 約21g
まぐろ(赤身) 約26g
さけ 約20g
約12g
牛乳 約3g

カロリーが気になる方は、蒸す・焼く・茹でるなどの調理方法を選び、脂肪分を控えるようにしましょう。魚はDHAやEPAといった良質な脂質を含んでおり、脳や目の健康を維持し、血液をきれいにする効果も期待できます。

抗酸化作用のある食材の選び方

老化の原因の一つに、活性酸素による細胞の酸化があります。活性酸素は、呼吸や代謝の過程で発生するもので、過剰になると細胞を傷つけ、老化を促進させてしまいます。ここで活躍するのが、抗酸化作用のある食材です。

抗酸化作用とは、体が「サビる」のを防ぐ働きです。実は、私たちの体も活性酸素によって「サビて」しまうのです。抗酸化作用を持つ栄養素は、このサビを防ぐ「サビ止め」のような役割を果たします。

抗酸化作用を持つ栄養素として有名なのは、ビタミンC・ビタミンE・βカロテンなどです。いずれも活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐ働きがあります。

以下の表は、抗酸化作用のある主な食材と効能をまとめたものです。

食材 栄養素 効能
トマト リコピン 抗酸化作用・美肌効果
緑茶 カテキン 抗酸化作用・脂肪燃焼効果
ブルーベリー アントシアニン 抗酸化作用・眼精疲労の軽減
ブロッコリー ビタミンC・スルフォラファン 抗酸化作用・解毒作用

これらの食材を日々の食事に取り入れることで、体内から老化対策をおこなうことができます。例えば、トマトジュースには豊富なリコピンとビタミンCが含まれており、抗酸化作用が期待できます。ただし、砂糖や食塩が添加されていないものを選ぶことが重要です。

緑茶に含まれるカテキンも強力な抗酸化作用を持ち、老化防止や免疫力向上に効果があります。

ビタミン豊富な食材の摂取方法

ビタミンは、体のさまざまな機能を正常に保つために必要な栄養素です。ビタミンは、体内でほとんど作ることができないので、食事から摂取する必要があります。

  • ビタミンC
    ・皮膚や粘膜の健康維持
    ・コラーゲンの生成促進
    ・肌のハリや弾力の維持
  • ビタミンE
    ・強力な抗酸化作用
    ・細胞の酸化防止
    ・老化の予防

以下の表は、ビタミンを多く含む食品と効能をまとめたものです。

ビタミン 多く含まれる食品 効能
ビタミンC イチゴ・キウイなど 抗酸化作用・コラーゲンの生成・免疫力アップ
ビタミンE アーモンド・ほうれん草など 抗酸化作用・血行促進・美肌効果

ビタミンを効率よく摂取するためには、さまざまな食材をバランスよく食べることが大切です。毎日の食事に、ビタミンCやビタミンEが豊富な食材を積極的に取り入れましょう。

食事の順番に気をつけたほうが良い理由

食事の順番は、血糖値の急上昇を防ぎ、老化を穏やかにする上で重要です。炭水化物を一度に大量に摂取すると、血糖値が急激に上昇し、血管を傷つける可能性があります。

理想的な食事の順番

野菜(食物繊維豊富な食品)

タンパク質(肉や魚)

炭水化物(ご飯やパン)

順番を意識することによる効果

  • 血糖値の急上昇を抑制
  • 消化吸収をゆっくりにする
  • 老化の進行を緩やかにする

食物繊維は炭水化物の吸収を穏やかにし、血糖値の急上昇を防ぎます。タンパク質は筋肉や骨・血液の形成に不可欠です。最後に炭水化物を摂取することで、全体的な血糖値の上昇を抑えることができます。

食事順序は、特別な準備や費用がかからず、誰でも簡単に実践できる方法です。日々の食事に取り入れることで、長期的な健康維持につながります。

食事で若々しく!老化防止のための食事法

老化防止のための食事法は、日々の小さな習慣の積み重ねが重要です。以下に、具体的な食事法をいくつか紹介します。

糖分と甘味料の過剰摂取を避ける

糖分の過剰摂取は、体内で「糖化」という反応を引き起こし、細胞の老化を促進する可能性があります。糖化とは、余分な糖が体内のタンパク質と結合して細胞を老化させる現象です。

糖化を防ぐために気をつけるべきことは以下の3点です。

  • お菓子やジュースの摂取を控える
  • 白米よりも玄米や雑穀米を選ぶ
  • 果物は一度に大量に食べず、適量を心がける

特に高齢者は、炭水化物の過剰摂取が健康寿命に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

腹八分目を心がける

「腹八分目」とは、お腹がいっぱいになるまで食べずに、8割程度で食事を終えることです。お腹いっぱい食べ過ぎて、体がだるくなったり、眠くなったりした経験があるのではないでしょうか。

食べ物を消化するために、体がたくさんのエネルギーを使っているからです。

腹八分目を心がけると以下のようなメリットがあります。

  • 消化器官の負担軽減
  • 活性酸素の発生抑制
  • サルートジェネシス*1(健康を育む力)の向上
    *1:困難な状況でも自身の健康を維持しようとする力

消化器官の負担を減らし、体が軽くなるだけでなく、老化の原因となる活性酸素の発生を抑える効果も期待できます。適切な食事行動をとることは「健康を育む力」を高めることにもつながるのです。

食事の際には、ゆっくりとよく噛んで食べるように意識してみましょう。よく噛むことで、満腹中枢が刺激され、食べ過ぎを防ぐ効果もあります。

旬の食材を取り入れる

季節の野菜や果物は老化防止にもおすすめです。

旬の食材を摂取することで以下のようなメリットを得られます。

  • 栄養価が高い
  • 味が濃い
  • 老化防止に効果的な栄養素を効率よく摂取できる
  • 価格が比較的安い

夏野菜のトマトには強い抗酸化作用を持つリコピンが豊富に含まれており、紫外線による肌の老化を防ぐ効果が期待できます。旬の食材を積極的に食事に取り入れて、体の内側から健康を目指しましょう。

老化に詳しい専門家としてのアドバイス

老化は自然な現象ですが、適切な食事によってそのスピードを緩やかにし、健康的な状態を維持することができます。ここでは、老化防止に効果的な具体的な食事方法を紹介します。

MINDダイエットを活用した認知機能の低下予防

MINDダイエットとは「Mediterranean-DASH Intervention for Neurodegenerative Delay」の略で、地中海式ダイエットとDASHダイエットの良いとこ取りをした食事法です。

地中海式ダイエットは、オリーブオイルや魚・野菜・果物を中心とした食事スタイルで、DASHダイエットは高血圧予防に効果的な食事スタイルです。どちらも多くの研究で健康効果が認められています。

認知機能の低下を予防する効果が期待されています。MINDダイエットで推奨される食品は主に以下の5つです。

  • 緑黄色野菜
  • ナッツ類
  • ベリー類
  • オリーブオイル

上記の食品は、抗酸化物質や脳の健康に良い影響を与える栄養素を豊富に含んでいます。以下の食品の摂取は控えめにしてください。

  • 赤身の肉
  • バター
  • マーガリン
  • お菓子

上記の食品は飽和脂肪酸やトランス脂肪酸を多く含み、過剰摂取は動脈硬化のリスクを高める可能性があります。

高炭水化物/低脂肪食と低炭水化物食の比較

高炭水化物/低脂肪食と低炭水化物食は、どちらもダイエットとして人気のある食事法ですが、その人の体質や生活習慣などによって異なります。

  • 高炭水化物/低脂肪食
    特徴:主食(ご飯、パン、麺類)中心で脂肪摂取を抑える
    メリット:エネルギー量が多く、満腹感を得やすい
    デメリット:血糖値が上がりやすく、食後の眠気やだるさを感じやすい
  • 低炭水化物食
    特徴:炭水化物摂取を減らし、タンパク質や脂質を多く摂取
    メリット:血糖値の上昇が緩やか、満腹感が持続しやすい
    デメリット:便秘になりやすい、エネルギー不足に陥りやすい

運動量が多い人は、エネルギー源となる炭水化物を多く必要とするため、高炭水化物/低脂肪食のほうが適しています。肥満気味の人や糖尿病の人は、血糖値の上昇を抑える必要があるので、低炭水化物食のほうが適していると考えられます。

高齢者の認知機能向上に効果的な食事戦略

加齢に伴い、脳の機能は低下しやすくなります。脳の神経細胞が減少したり、神経伝達物質の分泌量が減ったりすることが原因と考えられているためです。しかし、適切な食事を摂ることで、認知機能の低下を予防し、健康的な脳の維持ができます。

高齢者の認知機能向上に効果的な食事戦略としては、以下のポイントが重要です。

  • ブドウ糖の摂取:脳のエネルギー源となるブドウ糖は、ご飯・パン・麺類・果物などに多く含まれています。朝食でブドウ糖を摂取すると、脳の働きが活発になり、一日を元気に過ごすことができます。
  • DHA・EPAの摂取:マグロ・サバ・イワシなどの青魚に多く含まれるDHA・EPAは、脳の神経細胞の膜を構成し、情報伝達をスムーズにする働きがあります。同時に抗酸化作用も期待できます。
  • 抗酸化物質の摂取:野菜・果物・海藻・緑茶などに多く含まれる抗酸化物質は、脳の酸化を防ぐ効果があります。

食品をバランス良く摂取することで、高齢者の認知機能向上をサポートできます。

まとめ

老化防止のための食事法は、特別なものではなく、日々の食事の中で少し意識をすることで、誰でも簡単に取り入れることができます。以下のポイントを押さえて、健康的な食生活を送りましょう。

  • 抗酸化作用のある食材を積極的に摂取する:ビタミンC・ビタミンE・βカロテンなどを含む食品を選びましょう。
  • 動物性タンパク質を適切に摂取する:肉・魚・卵・乳製品などをバランスよく食べることが重要です。
  • ビタミン豊富な食材を摂取する:特にビタミンCとビタミンEが豊富な食材を取り入れましょう。
  • 食事の順番に気をつける:野菜→タンパク質→炭水化物の順で食べることで、血糖値の急上昇を防ぎます。
  • 糖分と甘味料の過剰摂取を避ける:お菓子やジュースの摂取を控え、白米よりも玄米や雑穀米を選びましょう。
  • 腹八分目を心がける:ゆっくりとよく噛んで食べることで、満腹中枢を刺激し、食べ過ぎを防ぎます。
  • 旬の食材を取り入れる:栄養価が高く、味が濃い旬の食材を積極的に食事に取り入れましょう。

これらの食事法を実践することで、体の内側から若返り、健康的な生活を送ることができます。

参考文献

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