フォトフェイシャルのデメリット7選|失敗しない方法を医師が解説

2024.10.14 更新

シミやそばかすをはじめとした顔の肌トラブルで悩んでいる方が増えています。近年改善方法として、注目を集めているのが「フォトフェイシャル」です。肌トラブルを改善しようと、何も調べずに闇雲にフォトフェイシャルを受けるのはおすすめしません。デメリットに関しても事前に知ったうえで施術を受けるようにしましょう。

本記事では、フォトフェイシャルにおける7つのデメリットをはじめ、期待できる効果や施術の仕組み、効果を高める方法についても詳しく解説します。

フォトフェイシャルの7つのデメリット|リスクと注意点

フォトフェイシャルはさまざまな肌の悩みに効果が期待できる施術ですが、デメリットもあります。考えられるリスクや注意点についても理解しておくことが大切です。7つのデメリットは以下のとおりです。

  • やけどのリスクがある
  • 水ぶくれができる場合がある
  • 色素沈着するリスクがある
  • 皮膚が乾燥しやすい
  • 効果実感には個人差がある
  • 施術時に痛みを感じる場合もある
  • 施術費用が高額になりやすい

やけどのリスクがある

フォトフェイシャルは光を照射して肌の細胞に働きかける施術のため、出力設定を誤ったり、肌の状態に合っていなかったりすると、やけどのリスクがあります。日焼け直後の肌や乾燥している肌は刺激を受けやすく、赤みや炎症のリスクが高まります。

施術を受ける前に、医師に肌の状態をよく相談し、適切な出力設定で行ってもらうことが重要です。信頼できるクリニックを選ぶことも大切です。最新機器の導入や医師の経験、技術の向上に力を入れているクリニックを選びましょう。

水ぶくれができる場合がある

フォトフェイシャルの施術後、まれに水ぶくれができることがあります。肌への刺激が強すぎた場合に起こる可能性があります。水ぶくれは皮膚の浅い層に水分が溜まった状態で、軽い症状であれば数日で自然に治癒しますが、症状が重い場合は適切な処置が必要です。

水ぶくれができると跡が残ってしまう可能性もあるため注意が必要です。万が一、水ぶくれができた場合は、自己判断でつぶさずに、すぐにクリニックに連絡し、適切な処置を受けましょう。

色素沈着するリスクがある

フォトフェイシャルの施術後は、一時的にメラニンが活性化し、色素沈着が起こる可能性もあります。色素沈着は、シミやそばかすのように、肌に茶色い色素が現れる状態です。

時間の経過とともに自然に薄くなっていきますが、紫外線対策を怠ると色素沈着が残りやすくなります。施術後は、日焼け止めをこまめに塗り直したり、帽子や日傘を着用したりするなど、紫外線対策を徹底しましょう。色素沈着のリスクを最小限に抑えるためには、施術後のアフターケアが重要です。

当院では、患者の皆さま一人ひとりの肌の状態に合わせた適切なアフターケアの方法を指導しています。院長自らが治療方針のご提案もしているので、悩んでいる方は相談をお待ちしています。

皮膚が乾燥しやすい

フォトフェイシャルの施術後は、肌が乾燥しやすくなることがあります。施術によって肌のターンオーバーが促進され、角質層のバリア機能が一時的に低下するためです。乾燥すると肌のバリア機能がさらに低下し、肌トラブルを引き起こしやすくなるため、注意が必要です。

施術後は、保湿効果の高い化粧水や乳液、クリームなどで肌に十分な潤いを与えましょう。保湿ケアには、セラミドやヒアルロン酸など、保湿成分が配合されたスキンケアアイテムを使用するのがおすすめです。

効果実感には個人差がある

フォトフェイシャルの効果は、肌質や肌の状態、生活習慣などによって個人差があります。フォトフェイシャルの効果が肌のメラニン色素やヘモグロビンなどの色素に反応して現れるためです。

シミやそばかす、赤ら顔など、色素の沈着が原因になる肌トラブルには効果が高い一方、ハリやたるみなど、加齢による肌の変化には効果を感じにくい場合があります。1回の施術で効果を実感できる方もいれば、複数回施術を受けて効果を実感する方もいます。

効果がなかなか実感できないからといって、自己判断で施術頻度を増やしたり、強い出力で施術を受けたりするのは避けましょう。医師と相談しながら、施術計画を立てていくことが大切です。

施術時に痛みを感じる場合もある

フォトフェイシャルの施術では、輪ゴムで軽く弾かれたような痛みを感じる場合があります。痛みの感じ方には個人差があり、ほとんど痛みを感じない方もいれば、強い痛みを感じる方もいます。

痛みが心配な方は、施術前に医師に相談してみましょう。最近のフォトフェイシャル機器では、冷却機能が搭載されているものも多く、痛みが軽減されています。痛みに弱い方や不安な方は、冷却機能搭載の機器を使用しているクリニックを選ぶのがおすすめです。

施術費用が高額になりやすい

フォトフェイシャルは自由診療に分類されるため、健康保険が適用されず、施術費用が高額になる可能性があります。施術を受けるクリニックや施術範囲、施術回数によって費用は異なります。

施術を受ける前に、複数のクリニックでカウンセリングを受け、費用や施術内容を比較検討しましょう。クリニックによっては、お得なキャンペーンやコース料金を設定している場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

フォトフェイシャルで期待できる効果と施術の仕組み

フォトフェイシャルは、特殊な光(IPL:Intense Pulsed Light)を顔全体に照射する施術で、さまざまな肌の悩みに効果が期待できます。この施術の仕組みと主な効果について説明します。

シミやそばかす、くすみ改善効果

フォトフェイシャルは、メラニン色素に反応する光を利用して、シミやそばかすの原因になるメラニン色素にダメージを与えます。周囲の健康な肌に負担をかけることなく、シミやくすみを薄くする効果が期待できます。

長年気になっている頬のシミに対しても効果的です。紫外線などの影響で過剰に生成されたメラニン色素を破壊し、シミを薄くしていきます。フォトフェイシャルには肌のターンオーバーを促進する効果もあります。

ターンオーバーとは、約28日周期で行われる肌の生まれ変わりのサイクルのことです。肌の生まれ変わりサイクルが正常に行われることで、健康な肌が保たれます。フォトフェイシャルでターンオーバーが促進されると、メラニン色素の排出が効率化します。結果、シミやそばかす、くすみの改善や予防効果が期待できます。

赤ら顔、ニキビ跡改善効果

フォトフェイシャルは、赤ら顔の原因になる毛細血管の拡張を抑え、赤みを鎮静化する効果があります。冷たい風や緊張で顔が赤くなりやすい方でも、フォトフェイシャルを受けることで赤みを抑え、肌のトーンを均一に近づける効果が期待できます。

ニキビ跡の改善にも効果が期待できます。ニキビ跡は炎症を起こした部分が色素沈着を起こしている状態です。フォトフェイシャルは色素沈着にアプローチし、ニキビ跡を薄くする効果があります。茶色や赤紫色、黒ずみなど、さまざまな色のニキビ跡に効果が期待できます。

毛穴の開き、小ジワ改善効果

フォトフェイシャルの光は、肌の奥深くにある真皮層まで届き、コラーゲンの生成を促進する効果があります。コラーゲンは肌の弾力やハリを保つために欠かせない成分です。コラーゲンの生成が促進されることで、毛穴の開きや小ジワを改善する効果も期待できます。

20代でも睡眠不足や乾燥、紫外線などの影響で肌のハリが失われ、毛穴が目立つことがあります。フォトフェイシャルを受けることで、コラーゲン生成を促進し、肌にハリと弾力を与え、毛穴の目立ちにくい肌へと導く効果が期待できます。

コラーゲン生成促進効果

フォトフェイシャルの光は真皮層まで届き、線維芽細胞を刺激します。線維芽細胞はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸といった美肌に欠かせない成分を生み出す細胞です。フォトフェイシャルによって細胞が刺激され、コラーゲン生成が促進されます。結果、肌にハリや弾力が生まれ、たるみ改善や小ジワ改善効果などが期待できます。

加齢によって肌のハリや弾力が失われ、フェイスラインがぼやけてきたと感じる方にもおすすめです。フォトフェイシャルを受ければ、コラーゲンやエラスチンなどの生成を促進できます。加えて、肌に内側からハリと弾力を与え、若々しい印象の肌へと導くことが可能です。

当院で行っているフォトフェイシャルの詳しい料金や治療の流れについては以下の記事をご覧ください。
>>フォトフェイシャルM22の光治療について

フォトフェイシャルの効果を高める方法|施術後のダウンタイムやアフターケア

フォトフェイシャルは、ダウンタイムが少なく、すぐにメイクもできる施術として人気です。ただし、施術後は何もしなくても良いわけではありません。施術後の適切なケアを行うことで、より効果を実感しやすく、肌トラブルのリスクを減らせます。

施術の効果を最大限に引き出し、理想の肌を手に入れるために、日常生活でどんなことに気をつければ良いのか、具体的に解説していきます。

施術後の保湿ケアを徹底する

フォトフェイシャルを受けた後は、肌のターンオーバーが促進され、新しい肌細胞が生まれ変わる準備が始まります。この過程で、肌は水分を失いやすく、乾燥しやすくなっている状態です。

適切な保湿ケアを怠ると、肌のバリア機能が低下し、乾燥による肌荒れ、赤みやかゆみ、さらにはシミやシワの悪化にもつながる可能性があります。しっかりと保湿を行うことで、肌のバリア機能を維持し、健康的な肌へと導けます。

フォトフェイシャルの効果を最大限に引き出すためにも、施術後はいつも以上に保湿ケアを徹底しましょう。具体的には、次のような点に注意することが大切です。

  • セラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなど、保湿効果の高い成分が配合されたスキンケアアイテムを使用する
  • 洗顔後、できるだけ早く保湿ケアを行う
  • 乾燥が気になる部分には、重ねづけやパックなどで集中的にケアする

紫外線対策を万全にする

フォトフェイシャルの施術後は、肌が紫外線に対して敏感になっています。フォトフェイシャルの光がメラニン色素に反応する性質を持つためです。施術によってメラニン色素が活性化しやすい状態になるため、紫外線を浴びると、通常よりもシミやそばかすができやすくなります。

紫外線は肌の老化を促進する大きな要因です。コラーゲンやエラスチンなどの肌の弾力を保つ成分を破壊し、シワやたるみの原因になります。施術後は、以下の紫外線対策を徹底しましょう。

  • 直接肌に紫外線が当たらないようにする
    日焼け止めだけでなく、物理的に紫外線をカットする方法も併用しましょう。つばの広い帽子や日傘を使用し、目元の紫外線対策にはサングラスも効果的です。
  • 紫外線の強い時間帯(午前10時~午後2時頃)は、なるべく外出を控える
    紫外線が最も強くなる時間帯の外出はなるべく控えましょう。どうしても外出が必要な場合は、日焼け対策を徹底してください。

刺激の強いスキンケアは避ける

フォトフェイシャルの施術後は、肌が一時的に敏感になっている状態です。そのため、刺激の強いスキンケアアイテムの使用は避け、低刺激のスキンケアを心がけましょう。

  • スクラブ剤やピーリング剤など、肌に摩擦を与えるようなスキンケアアイテムは使用しない
  • アルコールや香料など、刺激の強い成分が配合された化粧品は避ける
  • 洗顔の際はゴシゴシとこすらずに、優しく洗い流す

生活習慣を整え肌のターンオーバーを促進する

フォトフェイシャルの効果を最大限に引き出すためには、日々の生活習慣も重要です。特に意識すべきは以下の3つです。

  • 睡眠を十分に取る
    質の高い睡眠は、肌の細胞修復や再生に不可欠です。7〜8時間の睡眠を心がけましょう。
  • バランスの取れた食事を摂る
    タンパク質やビタミン、ミネラルなど、肌の健康に必要な栄養素をバランス良く摂取しましょう。
  • 適度な運動をする
    適度な運動は血行を促進し、肌の新陳代謝を高める効果があります。週に3〜4回、30分程度の有酸素運動を心がけましょう。

定期的な施術で効果を維持する

フォトフェイシャルの効果を持続させるためには、定期的な施術が重要です。一般的には3〜4週間おきに5回程度の施術を1クールとし、その後は3〜6か月に1回程度のメンテナンス施術が推奨されます。

ただし、個人の肌質や悩みによって最適な間隔は異なるため、医師と相談しながら適切な施術計画を立てることが大切です。

フォトフェイシャルを受けるか迷っている方に向け、以下では「フォトフェイシャルに関するよくある質問」などをまとめています。合わせてチェックしておきましょう。
>>フォトフェイシャルをやめると老ける?注意点やよくある疑問を徹底解説

まとめ

フォトフェイシャルは、シミやそばかすをはじめとしたさまざまな肌トラブルに効果が期待できる施術です。やけどや色素沈着などのリスクもあるため、注意が必要です。効果を最大限に引き出すためには、以下の点に気をつけましょう。

  • 施術後の保湿ケアを徹底する
  • 紫外線対策を万全にする
  • 刺激の強いスキンケアは避ける
  • 生活習慣を整えて肌のターンオーバーを促進する
  • 定期的な施術で効果を維持する

信頼できる医療機関で適切な施術を受け、日々のケアを怠らないことで、より健康で美しい肌を手に入れることができます。

フォトフェイシャルによって期待できる効果や持続期間、注意点などについて、以下の記事で詳しく記載しているのでぜひご覧ください。
>>フォトフェイシャルの効果とは?施術回数や効果が持続する期間も紹介!

参考文献

  1. Adverse Events Associated with Hyaluronic Acid Filler Injection for Non-Surgical Facial Aesthetics:A Systematic Review of High Level of Evidence Studies.
  2. IPL治療中の痛み軽減のための熱ショック療法の評価:患者内無作為化比較試験
  3. Nd:YAGレーザーまたはIntense Pulsed Lightを用いた初発性腋窩多汗症の試みにおける治療対未治療の対照側腋窩の1回のセッションによる比較:対照側腋窩を使用した治療患者対未治療コントロール腋窩の患者内ランダム化試験