デアザフラビン/5デアザフラビン/TND1128
デアザフラビン/5デアザフラビンとは何か
5デアザフラビンとは、ビタミンB2の誘導体(化学構造の一部を改変したもの)の一種です。
ビタミンB2の別名はリボフラビンであり、構造式の内部にはアザ(aza)、即ち、窒素元素(N)を4つ含んでいます。
それぞれ、化学式の第1, 3, 5, 10位の位置に存在するアザ(aza)のうち、第5位のアザ(aza)を取り除いたものが、5デアザフラビンです。
勘の良い方は、デカフェコーヒーが、カフェインを取り除いたコーヒーであることから、類推することも可能でしょう。
名前は複雑ですが、まずは、化学構造がビタミンB2の類縁物質であることを抑えて頂ければ十分です。
デアザフラビン/5デアザフラビンの機能
5デアザフラビンの基本骨格はビタミンB2と同一です。
しかしながら、その機能は、ビタミンB3骨格を有するNAD+やNADP+と同一です。
高校化学でいう「極性」、大学化学でいう「電子論」の観点から、分かります。
水として知られるH2Oが、二つのH+と一つのO2-で表現される様に、それぞれの物質には、その内部で、電子の偏りが存在しています。
この電子の偏り具合が、5デアザフラビンと、NAD+(NMN)、NADP+で、全く同じなのです。
実際に、5デアザフラビンの化学式の内部に、NAD+構造が含まれていることが確認出来ます。
そして、この5デアザフラビンは、自然界にも存在し、一部の細菌が生命維持に活用していることも知られています。
5デアザフラビン(TND1128)とは何か
5デアザフラビンがビタミンB2骨格でありながら、実際の機能がビタミンB3系統であるNAD+そのものであることは、何十年も前から知られていました。
それが、昨今のNMNブームによって、状況が変わります。
NMNやNAD+は、その化学的安定性の観点から、改良版を作ることが困難ですが、5デアザフラビンは数百種類の改良版の作成が可能でした。
これはビタミンB2骨格であることが理由です。
そして、数百種類の改良版のシミュレーションの中から、実際に10種類のサンプルを作成しました。
各種の検証を経て、総合的に最も優れたものが、TND1128と命名されています。
5デアザフラビン(TND1128)の特徴
NMNの主な機能は二つあり、ミトコンドリアの活性化と、サーチュイン遺伝子の活性化が指摘されています。
この二つの機能において、5デアザフラビン(TND1128)は
・ミトコンドリアの活性がNMNの数十倍
・サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)の活性がNMNの数倍
と、強力です。
以下の図は、線虫という生物モデルにおいて、エネルギー生成を評価したものです。
専門的に言えば、ミトコンドリアでのATP生成を、mito-tracker red 蛍光染色法を用いて評価したものです。
ATPというエネルギー生成が活発なほど、赤色の発光の程度が強くなります。
controlといのが、無添加の状態。NMNの投与でも赤色発光が強くなっていますが、TND1128の投与での輝度の方が強いことが一目瞭然です。
デアザフラビン/5デアザフラビン/TND1128の実臨床
当院では、同物質を世界で最も観察研究しています。
倫理審査委員会の承認の上、既に1,000例を超える処方実績を有しています。
一般雑誌での情報公開に加え、学会発表の実績を積み重ねている最中です。
症例報告としては、
・糖尿病、高血圧、脂質異常、肥満など、生活習慣病の改善
・狭心症発作、不整脈の改善
・喘息発作の改善
・慢性腎不全(透析導入の回避)、肝硬変の改善
・脊柱管狭窄症、頚椎症、五十肩、間欠性跛行の改善
・認知症の改善
・コロナ後遺症の改善
等の臨床実績があります。
当然、アンチエイジング効果も際立って高い症例もあります。
5デアザフラビン(TND1128)の限界
物質として130℃まで変性を起こさず、非常に安定した物質です。品質管理にも優れいています。
一方で、化学構造式から、非常に水に溶けにくいです。
水に溶けやすいNMNと併用することで、より一層の臨床効果が得られると期待されています。
5デアザフラビン(TND1128)の副作用
当院で行っている観察研究において、2例、肝機能障害を認めました。
何れも、服用中止により、症状の改善を認めています。
研究の特性上、正確性にはバラつきがありますが、一般的な抗生物質の投与時に肝機能障害が発生する程度の頻度と認識しています。