乳輪乳頭アートメイクとは

乳輪乳頭アートメイクとは、専用の極細の針で皮膚の浅い層に色素を入れ、乳輪や乳頭の色味・形を自然に近づける医療行為のことです。

乳がん治療や乳房再建の過程で、

■ 乳輪・乳頭が失われる
■ 色が薄くなる
■ 左右差が生じる

といった変化が起こることは珍しくありません。

乳輪乳頭アートメイクは、そうした方が「治療の最終段階」として、自分らしい見た目を取り戻すために選ぶケア、アピアランスケアの一種であり、「がん治療におけるアピアランスケアガイドライン2021年版(金原出版)」にも掲載されています。

一般的なタトゥーのように皮膚の深い層へ色を入れる方法とは異なり、皮膚への負担が少なく、自然な色味・立体感を再現しやすい点が特徴です。

こんな方に向いています

乳輪乳頭アートメイクは、次のようなお悩みをお持ちの方に適しています。

■ 乳房再建後に乳輪・乳頭がなくなった、または薄く見える
■ 左右差が大きく、見た目が気になる
■ 温泉や更衣室など、肌を見せる場で不安を感じる
■ 術後の胸に“完成した”という感覚が持てない
■ 自分の身体に前向きな気持ちを持ちたい
■ 乳頭再建をしたが、色味が物足りない
■ 乳頭形成はせず、色味のみ整えたい

外見が整うこと以上に、「気にしなくていい日常」を取り戻せたとおっしゃる方が多くいます。
中には、「治療後になって、初めて喪失していたものの大きさに気付いた」と語られる方もいます。

当院の乳輪乳頭アートメイクの特徴

当院では、乳輪乳頭アートメイクを“医療行為としての安全性”と“自然な仕上がり”の両面から提供しています。

1. 米国発・本邦初の術式を採用

20年以上の歴史と累積24,000例以上の臨床例を有する技法を導入。

乳輪乳頭アートメイクの民間保険も発達した米国でも、特別に技術力の定評があるシェラ・ファレス氏を招待し、講習会を開催*しました。

(*ハワイPMUアカデミー様と共同開催。詳細はこちら。)

皮膚へのダメージを抑えつつ、色味・質感ともに自然な仕上がりを実現します。

2. 医師・看護師による医療管理下での施術

再建された乳房は個人差が大きく、“皮膚の厚み・瘢痕・感覚”など専門的判断が不可欠です。
医師による状態確認、疼痛管理、施術可否の判断など、全行程を医療管理下で行います。

3. 乳房再建医との連携体制

医療者同士で状態を共有しながら、安心・安全を最優先に施術します。

■ 医師による診療情報の確認
■ 医療者による疼痛管理
■ 個人差の大きい皮膚の反応を予測した設計

4. 自然な色味・質感をつくるデザイン設計

乳輪・乳頭は“色を塗る”だけでは再現できません。

■ 乳輪・乳頭の自然な色味が戻る
■ 左右差や形の不均衡が整う
■ 温泉・銭湯・更衣室での心理的負担が減る
■ ファッションの選択肢が広がる
■ 自分の身体に前向きな気持ちを持てる

を細かく見極め、写真でも肉眼でも自然な仕上がりを目指します。

5. 心に寄り添うカウンセリング

乳輪・乳頭のお悩みは身体だけでなく“心”にも深く影響します。
完全個室でのカウンセリングや丁寧なヒアリングを通じて、不安な気持ちに寄り添います。

症例写真

50代女性両側3Dアートメイク

40代女性左側3Dアートメイク

 

施術の目的・期待できること

乳輪・乳頭があるかどうかは、
「胸をどう見るか/どう感じるか」に大きく影響します。

乳輪乳頭アートメイクによって、

■ 見た目が自然に整う
■ 左右差が緩和される
■ 心理的負担が軽減される
■ 更衣室や温泉での不安が減る
■ 自分の身体への前向きな気持ちが戻る

といった効果が期待できます。

「再建が終わった=気持ちが整う」ではなく、アートメイクで“日常の安心”が戻る方は多くいらっしゃいます。

施術の流れ

初めての方でも迷わないよう、施術の流れをステップ形式でご案内します。

STEP 1:ご予約・お問い合わせ

Web予約・お電話からご予約いただけます。
不安な点は事前にスタッフへお気軽にご相談ください。

STEP 2:カウンセリング

完全個室で、乳がん治療歴・再建方法、現在の皮膚の状態、悩みやご希望を丁寧に伺います。
施術の可否や、適したデザイン・施術回数を医療的に判断します。

STEP 3:主治医情報の確認

必要に応じて、主治医・再建医より診療情報を確認し、安全に施術できる状態であるか判断します。

STEP 4:施術

表面麻酔など必要な疼痛ケアを行い、負担が少なくリラックスして受けられる体制で施術を進めます。

施術時間の目安
片側:約90分〜
両側:約120分〜

*施術前後の説明や経過観察の時間を含みます。

STEP 5:アフターケア・次回予約

色味の定着を確認し、必要に応じて2回目の施術を行います。
日常生活の注意点をお伝えし、負担の少ない生活が送れるようサポートします。

施術概要・安全性について

 使用する色素・機材

医療アートメイク専用の色素を使用し、使い捨てニードルを採用。
衛生管理を徹底しています。

 麻酔・痛み

乳房再建手術をした部位は、痛みの感覚がない方が大半です。

このため、麻酔は使用せずに乳輪乳頭アートメイクの施術が可能です。

万が一痛みを感じられた場合は、麻酔を実施することも可能です。

遠慮なく、安心して、スタッフにお伝えください。

 通院回数

基本は1〜2回(必要に応じて追加)。

 禁忌・注意事項

■ 妊娠中・授乳中
■ ケロイド体質
■ 感染症・皮膚疾患のある部位
■ 血液疾患など、医療的に施術が難しい場合

※自由診療(保険適用外)です。

 基本料金

初回施術(1回目) 88,000円
2回目以降(リタッチ) 44,000円

※ 医療機関からのご紹介の場合(診療情報提供書・紹介状などをお持ちの方)… 11,000円割引*

※ 初回実施時に、2回目以降の施術を同時に契約された場合… 11,000円割引**

※二重適応が可能です。

※紹介状があり、初回施術時に2回目の施術も契約された場合:88,000円+44,000円-11,000円-11,000円=110,000円

※全て税込価格

*乳がん患者の方に対する治療は3要素で構成されます。

■ 「がんに対するアプローチ」
■ 「乳房に対するアプローチ(主に乳房再建)」
■ 「乳輪・乳頭に対するアプローチ(このうちの一つが乳輪乳頭アートメイク)」

当院が責任をもって、医療行為である乳輪乳頭アートメイクを責任もって実施するに際し、医療連携に積極的です。

結果として、患者である皆さま方にとっても、より良い医療体験に繋がる可能性が高いです。

**初回の施術と2回目の施術、同時の決済を推奨しています。

色素の定着具合などには個人差があるため、複数回に分けた方が、より自然な仕上がりに近づきます。

フルマラソンを念頭にペース配分を行うのと、ハーフマラソンを完走したあとに追加で更にハーフマラソンを繰り返すのでは、難易度が異なるのと同様です。

ご予約・お問い合わせはこちらから

乳輪・乳頭アートメイクのよくある質問と回答

 

Q:この施術は医療行為ですか?

A:はい。乳輪・乳頭アートメイクは医療行為です。
皮膚の真皮上層〜中層に専用の極細針で色素を注入する施術であり、
厚生労働省医政医発第105号(平成13年11月8日付)厚生労働省医政医発第703号(令和5年7月3日付)に基づき、
医師の診察・管理のもと医療機関内でのみ実施されます。

Q:乳がん手術後、いつから施術が可能ですか?

A:一般的には、手術または乳房再建から
6か月以上経過している方が対象です。
抗がん剤や放射線治療中の方は施術できません。
最終的な適応可否は、医師の診察と診断により決定されます。

Q:施術は痛いですか?

A:再建後の胸部は感覚神経が鈍くなっていることが多く、
麻酔なしでもほとんど痛みを感じない方が大半です。
必要に応じてリドカインなどの局所麻酔の使用も可能です。

Q:MRI検査は受けられますか?

A:原則として可能です。ただし、検査前にアートメイクをしている旨と部位、使用インクの情報を医師や技師に伝えてください。高磁場(テスラ数)の条件下では画像に影響することがあり、撮影方法を調整する場合があります。

Q:色素はどのくらい持続しますか?

A:色素は半永久的に皮膚内部に残りますが、時間とともに自然に退色します。理想的な仕上がりのために、2〜3回の施術を段階的に行うのが一般的です。1回ごとに色調を微調整し、より自然な仕上がりを目指します。

Q:仕上がりは自然ですか?

A:はい。3D技法を用いて色と陰影を繊細に再現し、乳輪や乳頭の立体感と柔らかい色味を描きます。患者様からは「想像以上に自然」「まるで本物のよう」といった声が多く寄せられています。

Q:施術を受ける方の主な悩みや動機は?

A:「失われた部分を取り戻したい」「自然な見た目に戻りたい」という自己イメージの回復を目的とする方が中心です。また、「入浴時に胸を見ると自分が乳がん患者であると再認識してしまう」といった喪失感を和らげたいという声もあります。

Q:施術によってどんな心理的変化がありますか?

A:「おかえり、私の胸と思えた」「鏡を見るのが怖くなくなった」などの声が多く、心の回復生活の質(QOL)の向上を実感されています。中には「止まっていた時間が動き出した」と表現される方もいます。

Q:費用は保険適用されますか?

A:乳輪・乳頭アートメイクは自由診療(自費)です。ただし、厚生労働省が公開している「医政医発」では明確に医療行為として定められているため、医療費控除の対象となるのが原則です。最終的な確認は、お住まいの税務署にお問い合わせください。

Q:使用する色素は安全ですか?

A:安全性の高い色素を使用し、皮膚の浅い層に注入するため体への影響は最小限です。現在、厚生労働省や、米国のそれに該当するFDAなどが正式に承認した色素は存在しませんが、20年以上24,000件以上の臨床実績の中で健康被害の報告はありません。