NMN副作用の全貌!服用前に知っておくべき注意点と対策

2025.02.28 更新

「NMN」は健康的で活力ある毎日を送りたいと考えている方から注目を集めています。NMNサプリメントについて、さまざまな情報が出回っていますが、特徴や注意点について正しく理解されているでしょうか。NMNは体内に存在する成分の一つで、体のエネルギー代謝に関係があると考えられています。

NMNは、健康的な生活をサポートすると考えられていますが、副作用もあるため注意が必要です。本記事では、NMNの効果や副作用、サプリメントとして摂取する際の注意点を紹介します。

NMNの長期的な安全性については、まだ研究段階の部分もあり、一部では「発がん性があるのでは?」といった懸念の声もあります。NMNは本当に安全なのか?最新の研究をもとに詳しく検証した記事をぜひご覧ください。
>>NMNの発がん性について検証!安全性と副作用の最新研究

NMNとは?効果とメカニズム

NMNとは、私たちの体内に自然に存在する物質で、若々しく健康な毎日を支える重要な役割を担っています。NMNについて、以下のポイントを解説します。

  • NMNの定義と体内での役割
  • サーチュイン遺伝子との関連性
  • エネルギー産生への作用
  • 抗老化作用のメカニズム

NMNの定義と体内での役割

NMNは「ニコチンアミドモノヌクレオチド」の略称です。ビタミンB3(ナイアシン)の一種であり、NMNは、体内で「NAD+」(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)と呼ばれる重要な物質を生成するための材料になります。

NAD+は、年齢を重ねるごとに体内で生成される量が減少すると考えられています。年をとると疲れやすくなったり、ケガの治りが遅くなったりするのは、NAD+の減少が原因の一つです。NMNを摂取することで、体内のNAD+の量を増やし、若々しさを保つことができると期待されています。

サーチュイン遺伝子との関連性

NMNと深い関係があるのが「サーチュイン遺伝子」です。サーチュイン遺伝子は「長寿遺伝子」とも呼ばれ、私たちの寿命や老化に大きく関わっていると考えられています。サーチュイン遺伝子は、NAD+によって活性化されます。NMNを摂取して体内のNAD+を増やすことで、サーチュイン遺伝子の働きを活発にさせ、老化の進行を抑える可能性があると考えられています。

エネルギー産生への作用

私たちの体は、食べ物からエネルギーを作り出して活動しています。エネルギー産生の過程で、NAD+は重要な役割を果たしています。エネルギーが生成されるのは、細胞内の「ミトコンドリア」と呼ばれる小さな器官です。NAD+はミトコンドリアをスムーズに動かす役割を持っています。

NMNを摂取することでNAD+の量が増えると、ミトコンドリアのエネルギー生産がより活発になり、私たちはより元気に活動できると考えられています。2023年の研究では、NMNの摂取により、持久力や疲労に関する研究が報告されています。

抗老化作用のメカニズム

NMNは、体内のさまざまなメカニズムを通じて抗老化作用を発揮すると考えられています。常に新しい細胞が生成され、古い細胞が壊されるという新陳代謝を繰り返しています。NMNは、新陳代謝をスムーズにするため、加齢に伴う変化を緩やかにする働きが期待されます。NMNには、活性酸素を除去する抗酸化作用もあります。

活性酸素は、細胞を傷つけ、老化を促進する原因物質です。NMNは、活性酸素から細胞を守り、老化を抑制する効果が期待できます。近年、ヒト臨床試験においてもNMNの安全性と抗老化効果に関する研究が行われており、今後の研究成果に期待が高まっています。

NMNの抗老化作用については研究段階であり、未解明の部分も多くあります。効果には個人差があり、NMNを摂取したからといって必ずしも若返るわけではありません。

以下の記事では、NMNについて解説しています。摂取を検討している方は、あわせてご確認ください。
>>NMNとは?話題の若返り成分の効果と正しい選び方完全ガイド

NMNの副作用5選

NMNサプリメントの効果だけでなく、副作用も正しく理解しておくことが大切です。NMNの副作用について、以下の5つを解説します。

  • 紅潮・皮膚の赤み
  • かゆみ・発疹
  • 胃腸障害(吐き気や下痢、便秘など)
  • 睡眠障害(不眠、眠気など)
  • 動悸

紅潮・皮膚の赤み

NMNを摂取した後に、顔が赤らんだり皮膚が一部または全体に赤くなったりする可能性があります。皮膚の赤みは紅潮と呼ばれる症状で、血管が拡張することで起こります。紅潮は体の一時的な反応の一つです。紅潮や皮膚の赤みが出たら、以下の対処法を試しましょう。

  • 涼しい場所で安静にする
  • 水分をこまめに摂る
  • NMNの摂取量を減らす

症状が改善しない場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。皮膚が敏感な方やアレルギー体質の方は、特に注意が必要です。

かゆみ・発疹

NMN摂取によって、かゆみ、皮膚の発疹(湿疹のようなブツブツや蕁麻疹のような膨疹)、あるいはかぶれなどのアレルギー反応が出る可能性があります。かゆみ・発疹の程度は、個人の体質により異なります。軽度のかゆみや発疹であれば、様子を見ても良い場合もあります。

広範囲に発疹が出たり、強いかゆみや呼吸困難などを伴う場合は、直ちにNMNの摂取を中止し、医療機関を受診してください。医師の指示のもと、抗ヒスタミン薬を服用すると症状が落ち着く場合があります。

胃腸障害(吐き気や下痢、便秘など)

NMNの摂取により、吐き気や下痢、便秘、胃の不快感、腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。NMNによる胃腸障害は、消化管への刺激や腸内細菌バランスへの影響が原因と考えられています。NMNの過剰摂取も胃腸障害の原因の一つです。

普段から胃腸が弱い方や、消化器系の疾患を持つ方は、NMNを摂取する前に医師に相談しましょう。胃腸障害の症状が出た場合は、以下の方法が有効です。

  • NMNの摂取を一時的に控える
  • 水分を十分に摂る
  • 消化の良いものを食べる

症状が改善しない場合は、医療機関を受診してください。

睡眠障害(不眠、眠気など)

NMNは、睡眠に影響を与える場合があり、不眠や日中の強い眠気などの睡眠障害を引き起こす可能性があります。NMNは脳の活動レベルに影響を与える可能性があるため、NMNの摂取タイミングによっては、睡眠の質が変化することがあります。NMNによる睡眠障害の予防策は、以下のとおりです。

  • NMNの摂取時間を朝または昼に調整する
  • カフェインの摂取を控える
  • リラックスできる睡眠環境を整える

睡眠障害が続く場合は、医療機関を受診し専門医に相談しましょう。

動悸

NMNを摂取した後に、動悸(心拍が気になる、脈が気になるなど)を感じる場合があります。NMNが自律神経系に影響を与えることが動悸の原因と考えられています。一時的な動悸は心配ありませんが、症状が長く続く場合や、息苦しさやめまいなどを伴う場合は、NMNの摂取を中止し、医療機関を受診してください。

NMNを安全に摂取するための注意点

NMNを安全に摂取するための注意点を、以下の項目に沿って解説します。

  • 適切な摂取量と摂取方法
  • 併用禁忌薬・サプリメント
  • 副作用の対策
  • 医師に相談すべき方

適切な摂取量と摂取方法

NMNの適切な摂取量については、まだ研究段階であり、明確な基準は確立されていません。各メーカーの推奨量を参考に、ご自身の体調に合わせて慎重に決めることが必要です。摂取量を決める際は、年齢や健康状態、生活習慣などを考慮しましょう。

高齢の方や持病のある方は、健康な方と比べてNMNの代謝が異なる場合があるため、摂取量を調整する必要があります。NMNの摂取量は、医師に相談のうえで検討してください。摂取方法としては、水やぬるま湯で服用するのが一般的です。

空腹時に摂取すると胃腸への負担が大きくなる可能性があるため、食後に摂取することをおすすめしますNMNは熱に弱い性質があるため、熱い飲み物と一緒に摂取することは避けましょう。

NMNの適量は、年齢や体の状態によって異なります。適切な摂取量を知ることで、安全かつ効果的に活用することができます。詳しくは、以下の記事をご覧ください。
>>NMN摂取量の目安は?年齢別の適量と期待できる効果を解説 

併用禁忌薬・サプリメント

NMNと特定の薬やサプリメントとの相互作用は、まだ十分に解明されていません。他の薬やサプリメントを服用している場合は、NMNを摂取する前に必ず医師や薬剤師に相談してください。血液をサラサラにする薬(抗凝固薬)や血糖値を下げる薬(糖尿病薬)を服用している方は注意が必要です。

NMNとの併用により、薬の効果が変化する可能性が懸念されています。特定の栄養素やハーブとの相互作用についても注意が必要です。ビタミンKは血液凝固に関与しているため、NMNと併用すると抗凝固薬の効果を弱める可能性があります。

副作用の対策

NMNの副作用が現れた場合は、NMNの摂取を中止し、症状が改善しない場合は医師に相談してください。自己判断で他の薬を服用することは避けましょう。副作用の予防には、推奨されている摂取量を守ることが重要です。NMNを初めて摂取する際は、少量から始め、徐々に増やしていくことをおすすめします。

自分の体で何が起こっているのかを理解することも、副作用への不安を軽減し、適切に対策するために重要です。副作用は必ずしも悪いものだけではありません。紅潮は血管拡張作用によるものであり、血行促進効果を示唆している可能性もあります。

医師に相談すべき方

NMNを摂取する前に、以下に当てはまる方は必ず医師に相談しましょう。

  • 持病のある方
  • 妊娠中、授乳中の方
  • 現在服用している薬がある方

医師と相談しながら、NMNを摂取するかを検討しましょう。医師は、あなたの健康状態や持病、服用している薬などを考慮したうえで、NMNの摂取が適切かどうかを判断します。NMNの摂取量や摂取方法についてもアドバイスを受けられます。

NMNの服用前に押さえたいよくある誤解

NMNのよくある誤解について、以下の3つを解説します。

  • NMNは若返りの万能薬ではない
  • 効果には個人差がある
  • 長期服用における安全性

NMNは若返りの万能薬ではない

NMNは若返りの万能薬ではありません。NMNは、体内でNAD+という生命活動に不可欠な物質に変換されます。年齢とともにNAD+は減少していくため、NMNを摂取することでNAD+を増やし、若々しさを保てるのではないかと期待されています。

マウスの実験ではNMNによる寿命延長効果が報告されている一方、ヒトでの効果はまだ十分に解明されていません。現在も世界中で研究が続けられており、今後の研究成果に期待が寄せられています。

効果には個人差がある

NMNの効果は、体質や生活習慣、持病の有無など、さまざまな要因によって個人差が生じます。同じ量のNMNを摂取しても、効果を実感する人もいれば、全く効果を感じない人もいます。効果が現れるまでの時間も個人差が大きいです。効果を期待しすぎることなく、自分の体と向き合いながら、慎重に摂取する必要があります。

以下の記事では、NMNを飲むことによる具体的な効果や選び方などを解説していますので、あわせてご確認ください。
>>NMNを飲み続けた結果とは?リアルな変化と実感できる効果

長期服用における安全性

NMNの長期服用における安全性については、引き続き研究が進められています。短期間の服用では大きな副作用は報告されていませんが、長期間にわたって服用した場合の影響は未知数です。2023年の論文でも、NMNの安全性については更なる研究が必要であると指摘されています。

NMNは比較的新しい成分であるため、長期服用による影響は予測できません。最新の研究情報に注意を払いながら、慎重に摂取することが必要です。

まとめ

NMNは体内に存在する成分の一つですが、サプリメントとしての活用にはまだ研究段階の部分が多くあります。効果には個人差があり、副作用の可能性も理解しておく必要があります。NMNの副作用には、紅潮やかゆみ、胃腸障害が挙げられます。少しでも異変を感じたら、NMNの摂取を中止し医師に相談しましょう。

NMNを摂取する際は、医師に相談しながら自分に合った量を決めてください。持病がある方や妊娠中、授乳中の方は、事前に医師に相談することが大切です。NMNは若返りの万能薬ではなく、効果も個人差が大きいです。正しい知識を身につけて、NMNと賢く付き合っていきましょう。

NMNの若返り効果には期待が集まる一方で、リスクや注意点もあります。安全に活用するために、知っておくべきポイントを解説していますので、気になる方は以下の記事もチェックしてみてください。
>>NMN若返り効果の危険性とは?知っておくべきリスクと注意点

参考文献

Qin Song, Xiaofeng Zhou, Kexin Xu, Sishi Liu, Xinqiang Zhu, Jun Yang. The Safety and Antiaging Effects of Nicotinamide Mononucleotide in Human Clinical Trials: an Update. Adv Nutr, 2023, 14(6), p.1416-1435.