5デアザフラビン(TND1128)とは何か~NMNの上位互換~

2023.01.12 更新

タイトルの通り、今回は5デアザフラビン(TND1128)について解説します。

なぜ、この物質を取り上げるかを一言で言えば、長寿サプリと噂されるNMNの上位互換の物質だからです。

文字情報よりも動画情報を好まれる方は、私のYoutubeチャンネルでも解説していますので、参考にしてみて下さい。

では、本題。

5デアザフラビン(TND1128)の効能は、NMNの主機能である

ミトコンドリア活性 → NMNの数十倍

サーチュイン遺伝子活性 → NMNの数倍

です。

 

それだけ強力な5デアザフラビン。覚えにくく、言いにくいです。

ですので、周囲の方に対しては、ビタミンB2もどき、と説明しています。ビタミンB2’とか、ビタミンBX等でも良いです。

 

フラビン=ビタミンB2です。

これに、5デアザ置換をしたもの(第5ポジションのアザ基を取り除いたもの)が、5デアザフラビンです。

このデとは、デカフェコーヒー(カフェインを”取り除いた”コーヒー)のデと同じです。

即ち、アザ基(N:窒素元素)→ (有機物として)通常型(C:炭素元素)にしたものになります(窒素元素を”取り除いた”訳です)。

 

この5デアザフラビンは、1990年代には国内の論文、ビタミン72巻7号(7月)1998でも解説されています。

構造式はビタミンB2骨格でありながら、実際の機能はビタミンB3骨格系統のNAD+(NMNはNAD+の前駆体)や、NADP+と同じと考えるのが妥当で、第三の存在と考察されています。

高校化学で言えば「極性(電子の偏り、+と-の偏り)」、大学化学で言えば「電子論」という表現になりますが、同じ機能を果たす訳です。

 

理屈上は、1デアザフラビン(第1ポジションのアザ基N基をデアザ置換)や3デアザフラビン(第3ポジションのアザ基N基をデアザ置換)の作成も可能です。

しかしながら、それらの機能はNMNのそれとは全く異なり、わざわざその様な物質を作る意味がありません。

 

一方で、5デアザフラビン(ビタミンB2骨格)とNMN(ビタミンB3骨格)は、基本構造が違うのに、機能は同じ。

そして、ビタミンB3骨格(例えるなら軽自動車、ベンゼン環構造が一つだけ)と違い、ビタミンB2骨格(例えるなら頑丈なドイツ車、ベンゼン環構造が三つ連なった、イソアロキサジン環)ならば、数百種類のカスタマイズが可能な訳です。

 

勘の鋭い方なら、閃きますよね。

この5デアザフラビンをカスタマイズした中のうち、長寿サプリとして話題のNMNを上回るものが作れるのではないだろうか、と。

数百種類のシミュレーションを経て、実際に10種類のサンプルを作成しました。

うち、総合的に最も優れたものが、5デアザフラビン(TND1128)と名称された訳です。

論文検索プラットフォームのpubmedでも「TND1128」というキーワード検索で出てきます。

 

当院では、同物質を、iG1128として”処方(観察研究)”しています。

 

実際に、その効能はどの程度強いのでしょうか。NMNの主機能である

ミトコンドリア活性 → NMNの数十倍

サーチュイン遺伝子活性 → NMNの数倍

です。(※用語解説は、リンク先をご参照下さい。)

この図は、ミトコンドリア(エネルギーの生成工場。人間のエネルギーの95%はミトコンドリアで作られています。)の活性化の程度を、赤色発光の程度で比較したものです。

Controlとは、元々の定常状態を意味します。

NMNの投与で、確かに、赤色発光が確認出来ます。エネルギーであるATPが生成されている訳です。

TND1128の投与では、どうでしょうか。明らかに、NMNよりも強力な赤色発光を伴います。

このデータをもって、①ミトコンドリア活性がNMNの数十倍と国際特許(特許番号6717989)を取得した訳です。

現時点で、5デアザフラビン(TND1128)は、世界最強の①ミトコンドリアブースター、②サーチュインブースター、だと考えています。

まさに、NMNの上位互換。

ここまでは、基礎研究(実験室のデータ)で分かっていることです。

では、実際に、ヒトに投与するとどうなるのか。

安全性は?効能は?机上の空論ではないのか?本当に理論通りにいくのだろうか?

実際に患者に投与する、臨床研究が待望されることになります。

 

一般に、臨床研究は

①観察研究~何が正しいか仮説を立てる~

②介入研究~その仮説の正しさを証明する~

の二つに大別され、それぞれ目的が異なります。

世界最先端の物質を前に、先ずは観察研究こそが必要な訳です。

メンデルの遺伝の法則も、ニュートンの万有引力の法則も、いつだって、世界を揺るがすコンテンツは観察から生まれます。

当院、銀座アイグラッドクリニックでも例に違わず、倫理審査委員会(一般社団法人日本臨床研究安全評価機構:厚生労働省の研究倫理審査委員会報告システム登録IRB No. : 18000005)の承認の上、①観察研究を行っています。

観察研究はなかなかに骨が折れる仕事ですが、それでも、遣り甲斐を感じています。

5デアザフラビン(TND1128)に対しる特別に強い想い、私の個人的な動機はエコノミストweb版ビジネスクロニクルの取材記事をご参照下さい。

そして約2年が経ち。

観察研究による仮説立案も、大分固まってきました。

今年は、その正しさの証明の為に、②介入研究に移行できたらと考えています。

これからの一年、論文作成、学会登壇、メディア露出、頑張ります。

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