光老化からあなたの肌を守る!原因・症状・治療法を詳しく解説

2024.07.22 更新

紫外線による肌の老化、いわゆる「光老化」は、私たちの肌に深刻な影響を与えます。毎日太陽の光を浴びることで、シミやシワ・たるみなどの肌トラブルが引き起こされることをご存知でしょうか?

この記事では、光老化の原因や症状、そして予防策から治療法までを詳しく解説します。光老化のメカニズムを理解し、適切な対策をすることで、健康で若々しい肌を保てます。将来の肌トラブルを未然に防ぐために、今すぐこの記事を読んで、光老化対策を始めましょう。

光老化の他にも、そもそもの「老化の原因と対策」について別記事で紹介しているので、合わせてご確認ください。

>>老化の原因と対策!なぜ起こるのか?何歳から始めるべきかを徹底解説

光老化の原因とは

光老化の最大の原因は、太陽の光に含まれる「紫外線」です。紫外線は目には見えませんが、肌に当たると肌の奥深くまで届き、細胞を傷つけます。肌のハリや弾力を保つコラーゲンやエラスチンが破壊され、シワやたるみ・シミの原因となります。

紫外線の影響は、日焼けのようにすぐに現れるものばかりではありません。最近の研究では、紫外線を浴びると“シワのたまご”ともいわれる「ゼラチナーゼ」という酵素が肌の中で作られることが明らかになっています。紫外線によるダメージは、乾燥肌を悪化させる可能性も指摘されています。乾燥によって肌のバリア機能が低下すると、紫外線の影響を受けやすくなるという悪循環に陥ってしまうのです。

光老化は、約8割の肌老化の原因といわれているので、将来シミやシワで悩まないためにも、毎日の紫外線対策を心がけましょう。

光老化による肌への影響と症状

毎日太陽の光を浴びて生活していると、知らず知らずのうちに紫外線を浴びています。紫外線は肌の奥深くまで届き、肌の細胞を傷つけ、シミやシワ・たるみ・くすみなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。

シミ・シワの形成

紫外線を浴び続けると、肌は自分自身を守るために「メラニン」という黒い色素を作り出します。メラニン色素がシミの原因です。紫外線はコラーゲンやエラスチンを破壊し、肌のハリや弾力を失わせ、シワの原因となります。

肌のハリと弾力の低下

赤ちゃんの肌は、コラーゲンやエラスチンが豊富で弾力がありますが、年齢を重ねるとこれらの成分が減少します。紫外線は、コラーゲンやエラスチンなどの成分をさらに破壊し、肌のハリや弾力を失わせます。

コラーゲンは、コイルのような構造をしていますが、紫外線を浴びることで変性し、硬くなるのです。硬くなったコラーゲンは、弾力を失い、肌のハリを保つことができなくなります。

ターンオーバーが乱れる

肌が生まれ変わることを「ターンオーバー」と呼びます。古い角質が剥がれ落ち、新しい角質が生まれてくることで、肌は常にフレッシュな状態を保っているのです。

紫外線を浴び続けると、ターンオーバーが乱れてしまいます。古い角質が肌表面に残りやすくなり、肌表面が乾燥し、キメが乱れてしまいます。光を均一に反射できなくなり、肌がくすんで見えてしまうのです。

光老化の予防と改善策

毎日太陽の光を浴びて生活する私たちにとって、光老化の予防と改善は、健康的な肌を保つために欠かせません。この章では光老化の予防と改善策について紹介しているので、要チェックです。

光老化のチェックポイント

さっそくここでは、光老化が進行しているかどうかのチェックポイントを解説します。

シワの状態をチェック

鏡をよく見て、目尻や口元に小ジワが増えていないか、額や眉間のシワが深くなっていないかを確認しましょう。

例: 20代の頃は気にならなかった目尻の笑いジワが、30代になって深く刻まれるようになってきた。

シミ・そばかすの有無をチェック

顔全体にシミやそばかすが増えていないかを確認しましょう。特に、頬骨の高い位置や額、鼻筋などは紫外線を浴びやすい部分です。

例: 日焼けをして数日後に、頬骨の高い位置にシミが濃く浮き出てきた経験はありませんか?

肌のたるみ具合をチェック

頬のあたりを持ち上げてみて、すぐに元に戻るかどうかで、肌の弾力をチェックできます。

例: 若い頃はシャープなフェイスラインだったのに、年齢を重ねるにつれて、肌の弾力が失われてたるんできた。

肌の質感の変化をチェック

若い頃はみずみずしくキメの細かい肌でも、乾燥が進んでいる可能性もあります。ザラつきやゴワつきが気になる場合も光老化が進んでいる可能性が高いです。

例: 新品のタオルが何度も洗濯を繰り返すうちにゴワゴワしてくるように、肌の水分保持能力が低下し、キメが乱れてしまっている状態です。

自分の肌の状態を把握し、早めに対策を始めることが大切です。

光老化の予防方法と日常生活の改善策

光老化の予防は、毎日の積み重ねが大切です。今日からできる簡単なことから、生活習慣に取り入れてみましょう。

紫外線対策は一年中忘れずに

紫外線は夏だけでなく一年中降り注いでいます。くもりでも紫外線は地上に届いているので、外出時は日焼け止めを塗ったり、帽子や日傘を活用したりしましょう。

紫外線を浴びる量は蓄積されていきます。毎日の紫外線対策の積み重ねが将来の肌の美しさに大きく影響します。

食生活を見直す

バランスの取れた食事は健康な肌を保つために欠かせません。特に、抗酸化作用の高いビタミンA・C・Eや、コラーゲンの生成を助けるビタミンCを積極的に摂るように心がけましょう。

  • ビタミンAを多く含む食品: かぼちゃやにんじんなど
  • ビタミンCを多く含む食品: いちご・キウイなど
  • ビタミンEを多く含む食品: アーモンド・ほうれん草など

十分な睡眠を心がける

睡眠中は肌の修復や再生がおこなわれる大切な時間帯です。質の高い睡眠を十分にとることで、肌のターンオーバーを促し、健康な状態を保ちましょう。

睡眠不足は肌のターンオーバーを乱し、光老化を加速させます。

ストレスをため込まない

ストレスは、肌の老化を促進する原因の一つです。適度な運動や趣味など、ストレスを解消する方法を見つけて、心身ともにリラックスできる時間を作りましょう。ストレスは活性酸素を発生させ、肌の老化を促進するだけでなく、免疫力を低下させ、さまざまな病気のリスクを高めてしまいます。

光老化の治療法

太陽光を浴び続けた肌は、徐々にハリや弾力を失ってしまいます。紫外線によって肌の奥深くで、弾力繊維(コラーゲン)が傷ついてしまうからです。

ただし、諦めるのは早いです。光老化によって現れたシミやシワ・ハリの無さなどを改善する治療法は、いくつかあるので確認しておきましょう。

  • レーザー治療:シミの原因となるメラニン色素をレーザー光線で狙い撃ちする治療法です。シミだけでなく、そばかすやニキビ跡にも効果を発揮します。
  • フォトフェイシャル:カメラのフラッシュのような光を顔全体に当てることで、シミやくすみを薄くし、肌のハリをアップさせます。レーザー治療よりも肌への負担が少なく、ダウンタイムも短いのが特徴です。
  • ケミカルピーリング:古い角質をやさしく取り除き、新しい肌の再生を促す治療法です。肌のトーンアップやニキビ跡の改善に効果が期待できます。

光老化に関する最新情報

光老化は、長年の紫外線ダメージが蓄積して起こる肌の老化現象です。最近の研究では、太陽光に含まれる紫外線だけでなく、スマートフォンやパソコンから発せられるブルーライトも光老化に影響することが分かってきました。

排気ガスや工場からの煙に含まれる有害物質などの大気汚染も、光老化を促進する要因の一つと考えられています。有害物質は、肌にストレスを与え、酸化を促進することで、シワやたるみを悪化させる可能性が高いです。

遺伝的な要因も光老化に影響を与えます。肌の色素が薄くてメラニンが少ない人は、紫外線の影響を受けやすく、光老化が進みやすい傾向にあります。

光老化治療の費用や保険適用について

光老化治療には、レーザー治療やフォトフェイシャル・ケミカルピーリングなど、さまざまな種類があります。費用は、治療の種類や範囲・使用する機器・薬剤・治療を受けるクリニックによっても異なります。シミを治療する場合、1ヶ所の治療費用が数千円から数万円、顔全体の治療費用が数万円から数十万円となる場合もあります。

一般的に光老化治療は自由診療となるため、健康保険は適用されず、全額自己負担となります。ただし、治療内容によっては、医療費控除の対象となる場合があるのでクリニックに確認してみましょう。医療費控除を受けるためには、クリニックから医療費の内容が記載された領収書をもらう必要があります。

治療費以外にも、診察料や薬剤代などの費用がかかる場合もあります。治療を受ける前に医師へ相談し、治療内容や費用についてしっかりと確認しておきましょう。

光老化治療の安全性と副作用について

光老化治療は、一般的に安全性の高い治療法ですが、体質や肌の状態によっては副作用が現れる場合があります。治療前に、医師にアレルギーや持病・服用中の薬などについて詳しく伝え、不安な点や疑問点は解消しておくようにしましょう。

光老化治療で起こる主な副作用としては、赤み・腫れ・痛み・かゆみ・熱感・乾燥・色素沈着などがあります。ほとんどの場合、一時的なもので数日から数週間で治まります。

まれに、水ぶくれや炎症・瘢痕などの重い副作用が起こることがあるので、異常を感じた場合はすぐにクリニックに連絡しましょう。光老化治療は、適切な治療を受けることで、副作用のリスクを抑え、安全に治療効果を得られます。

光老化治療のメリットとデメリット

この章では光老化治療を受けることで得られるメリットとデメリットについて紹介しています。それぞれのポイントを知っておけば、いざ光老化治療をおこなうときに役立つので要チェックです。

光老化治療のメリット

光老化治療のメリットは以下の3つです。

  • シミやシワ、たるみなどを改善し、肌の見た目を若々しくできること
  • 肌のトーンアップ効果が期待できること
  • 肌のハリや弾力を取り戻せること

シミやシワ、たるみなどを改善し、肌の見た目を若々しくできること

レーザー治療やシミ取りクリームなどを使用することで、長年気になっていたシミを薄くしたり、消したりすることができます。

肌のトーンアップ効果が期待できること

フォトフェイシャルなどの治療によって、肌のターンオーバーを促進できます。メラニンの排出を促すことで、肌全体のトーンアップも図れます。

肌のハリや弾力を取り戻せること

ヒアルロン酸注入や高周波治療などによって、コラーゲンやエラスチンの生成を促進できます。結果、肌にハリや弾力を与え、たるみを改善することが可能です。

光老化治療のデメリット

光老化治療のデメリットは以下の3つです。

  • 治療費用が高額になる場合があること
  • 治療効果が一時的な場合があること
  • 副作用のリスクがあること

治療費用が高額になる場合があること

自由診療となるため、健康保険が適用されず、全額自己負担となる場合がほとんどです。治療内容によっては、数十万円から数百万円かかることもあります。

治療効果が一時的な場合があること

治療の効果を維持するためには、定期的な治療が必要となる場合があります。

副作用のリスクがあること

治療内容や肌質によっては、赤みや腫れ・痛み・かゆみなどの副作用が現れる場合があります。

光老化治療を受ける際には、メリットだけでなく、デメリットも理解した上で、慎重に判断することが大切です。

まとめ

光老化は紫外線による肌の老化現象で、シミやシワ・たるみなどの原因となります。以下のポイントを押さえて、光老化を予防・改善しましょう。

  • 紫外線対策:一年中日焼け止めを使用し、帽子や日傘を活用
  • 食生活の改善:ビタミンA・C・Eを多く含む食品を摂取
  • 十分な睡眠:肌の修復と再生を促進
  • ストレス管理:適度な運動や趣味でリラックス

光老化治療にはレーザー治療やフォトフェイシャル・ケミカルピーリングなどがありますが、費用や副作用も考慮が必要です。適切な対策と治療方法を把握して、健康で美しい肌を保ちましょう。

肌老化についてのスキンケア術について、別の記事で詳しく紹介しています。肌老化の原因や予防方法も解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

>>あなたの肌年齢はいくつ?肌老化を防ぐためのスキンケア術

参考文献

・Augustin M, Berardesca E, Blume-Peytavi U, Elsner P, Scafa D, Schmeel LC and Proksch E. “Managing dry skin in patients with comorbidities or with advanced age: unmet needs and roles for products containing potential emollient-plus ingredients.” The Journal of dermatological treatment 35, no. 1 (2024): 2326171.

・Wang Z, Kwong CHT, Zhao H, Ding YF, Gao C, Zhang D, Cheng Q, Wei J, Zhang QW and Wang R. “Microalgae Microneedle Supplies Oxygen for Antiphotoaging Treatment.” ACS applied bio materials 6, no. 9 (2023): 3463-3471.