ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の違いは?使用方法と使い分けについて

2024.12.26 更新

「ピュアビタミンC」と「ビタミンC誘導体」の違いを知っていますか?実は、この2つは全く別物です。即効性か持続性か、刺激の強さ、安定性など、それぞれに特徴があり、選び方次第で効果が変わります。

この記事では、ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の違いを比較し、あなたの肌質や目的に合った使い方を解説します。記事を読めば、自分に合うビタミンCが見つかります。健やかで美しい肌を手に入れるための選択をサポートします。

以下の記事では、ビタミンCの最適な摂取量に関してまとめています。闇雲に大量に摂取すれば良いわけではないため、ぜひチェックしておきましょう。
>>ビタミンCの最適摂取量とは?健康維持と美肌効果を引き出す方法

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の違い

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の違いは以下のとおりです。

  • 効果と効能の違い
  • 浸透力と安定性の違い
  • 刺激性と副作用の違い
  • 価格の違い

効果と効能の違い

ピュアビタミンC(アスコルビン酸)は即効性が高く、塗布後比較的早く効果を発揮します。主な効果は以下があります。

  • メラニン生成の抑制によるシミ予防
  • コラーゲン生成促進によるハリ向上
  • 抗酸化作用による肌の老化防止

ビタミンC誘導体は、肌に塗布された後、体内の酵素によってピュアビタミンCに変換されてから作用します。特徴として、効果まではやや時間がかかりますが、持続性が高いです。即効性を求めるならピュアビタミンC、持続的な効果を望むならビタミンC誘導体が適しています。

浸透力と安定性の違い

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体は浸透力と安定性にも違いがあります。

ピュアビタミンC(L-アスコルビン酸)は、熱や光、pHなどの条件によって酸化しやすい反面、低分子ゆえに適切な処方やpH調整によっては肌の角質層まで浸透し得ます。

一方、ビタミンC誘導体は比較的安定性が高いものが多く、水溶性・油溶性など種類によっては肌になじみやすい性質をもつものがあります。ただし、誘導体でも安定性・浸透性の程度は種類や製剤技術により異なります。

刺激性と副作用の違い

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体にはそれぞれ刺激性と副作用の面でも違いがあります。ピュアビタミンCは、濃度が高いほど効果が期待できますが、同時に刺激も強くなります。敏感肌や乾燥肌の方は赤み、かゆみ、ピリピリ感を感じる可能性があります。

使用開始時は少量から始め、徐々に量や頻度を増やすことを推奨します。ビタミンC誘導体は、ピュアビタミンCと比較して刺激が少ないです。副作用のリスクが低く、敏感肌の方でも使いやすいです。

個人の肌質や状態によって反応は異なるため、新しい製品を使用する際は必ずパッチテストを行いましょう。

価格の違い

一般的に、ピュアビタミンC配合製品はビタミンC誘導体配合製品よりも高価です。理由はピュアビタミンCの不安定性により、製造・保存に特殊技術が必要であるためです。また高濃度配合にはさらなるコストがかかることも挙げられます。

一方、ビタミンC誘導体でも特許技術や特殊製法を用いた高価な製品も存在するため、価格は製品によって大きく異なります。あくまでも目安として、ピュアビタミンC高濃度配合品は高めの価格帯になりやすいという傾向があります。

予算に応じて選択することも重要ですが、効果と価格のバランスを考慮することをおすすめします。

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の効果的な使用方法

ビタミンCは美肌づくりに欠かせない成分です。シミやくすみの予防、肌のハリや弾力の向上に効果が期待できるため、多くの化粧品に配合されています。ビタミンCには「ピュアビタミンC」「ビタミンC誘導体」の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。効果的な使用方法を解説します。

濃度と使用頻度

ピュアビタミンCは高濃度ほど効果が高まりますが、同時に肌への刺激も強くなります。使用を開始する際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 低濃度(5%程度)から開始する
  • 肌の反応を観察しながら徐々に濃度を上げる
  • 高濃度(20%など)使用時は赤みやピリピリ感に注意する

ビタミンC誘導体はピュアビタミンCと比較して刺激が少なく、毎日朝晩の使用が可能です。製品によって推奨濃度や使用頻度が異なるため、製品の使用説明を必ず確認してください。

使用時の注意点(紫外線対策など)

ピュアビタミンCは紫外線、光、熱に弱く酸化しやすい性質があります。使用時は以下の点に注意しましょう。

  • 朝の使用時は必ずSPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを併用する
  • 直射日光を避け、涼しい場所で保管する
  • 開封後はなるべく早く使い切る

ビタミンC誘導体はピュアビタミンCよりも紫外線の影響を受けにくいですが、日焼け止めの併用が推奨されます。

保存方法

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体はそれぞれ適した保存方法があります。ピュアビタミンCは、空気との接触を最小限に抑え、蓋をしっかり閉めて冷蔵庫などの冷暗所で保管しましょう。ビタミンC誘導体は直射日光を避けた常温保管が大切です。特にピュアビタミンCの保存方法には注意が必要です。製品の保存方法については、メーカーの指示に従ってください。

使用中に不安や疑問がある場合は、必ず専門家に相談してください。

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体の使い分け

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体のそれぞれの使い分けについて解説します。

肌質に合わせた選び方

自分の肌質を理解することは、適切なスキンケア製品を選ぶうえで重要です。肌質に合わない製品を使用すると、スキンケアが逆効果になる可能性があります。肌の違いによって選び方が変わるので参考にしましょう。

敏感肌の方

敏感肌の方は、刺激の少ないビタミンC誘導体から試しましょう。ビタミンC誘導体は、ピュアビタミンCよりもマイルドな使い心地で、敏感肌の方でも安心して使用できます。ピュアビタミンCの刺激に反応しやすく、赤みやヒリヒリ感を引き起こす可能性があります。

乾燥肌の方

乾燥肌の方には、保湿成分が配合されたビタミンC誘導体製品がおすすめです。ピュアビタミンCは乾燥を悪化させる可能性があるため、避けたほうが無難です。ピュアビタミンCを使用する場合は、低濃度から始め、十分な保湿を行ってください。

脂性肌の方

脂性肌の方には、皮脂を抑える効果が期待できるピュアビタミンCが適しています。ただし、高濃度のピュアビタミンCは皮脂の過剰分泌を促す可能性があるため、濃度に注意が必要です。低濃度から始め、肌の様子を見ながら徐々に濃度を上げていくのが良いです。ビタミンC誘導体も使用可能です。

以下の記事では、ビタミンCと相性が良いスキンケアについて解説しています。相性の悪いスキンケアも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
>>ビタミンCと相性が良いスキンケアとは?相性の悪いスキンケアも紹介

目的に合わせた選び方

ビタミンCを使用する目的で選ぶことも大切です。主に、美白目的やニキビケア、アンチエイジングなどで用います。

  • 美白目的
    メラニン生成を抑制する効果の高いピュアビタミンCがおすすめです。シミやくすみが気になる部分には、高濃度のピュアビタミンC美容液が効果的です。
  • ニキビケア
    抗炎症作用のあるビタミンC誘導体がおすすめです。ニキビは炎症状態のため、刺激の強いピュアビタミンCは悪化させる可能性があります。ビタミンC誘導体は、ニキビ跡の赤みや色素沈着にも効果が期待できます。
  • アンチエイジング
    コラーゲン生成を促進するピュアビタミンCがおすすめです。肌のハリや弾力を保つためには、コラーゲンが重要です。加齢とともにコラーゲンは減少するため、ピュアビタミンCで補うことが大切です。

肌の悩みに合わせてビタミンCを選択すれば、効率的に効果を得られます。

併用禁忌や併用効果を高める成分

ピュアビタミンCは、他の成分との組み合わせによって効果が変化する場合があります。相乗効果が期待できる組み合わせはビタミンEとの併用です。ビタミンEは酸化されたピュアビタミンCを再生する働きがあります。

一方で、注意が必要な組み合わせもあります。レチノールとの併用は両方とも効果の高い成分ですが、併用すると刺激が強くなりすぎる可能性があります。敏感肌の方は、レチノールとピュアビタミンCの併用を避けることをおすすめします。

ビタミンC誘導体は、他の成分との相性が良く、併用禁忌は少ないです。

まとめ

ピュアビタミンCとビタミンC誘導体、それぞれに特徴があります。

  • ピュアビタミンC:短期間での肌変化が期待されるが刺激も強い
  • ビタミンC誘導体:刺激が少なく使いやすいが、効果発現に時間がかかる

選び方のポイントは以下のとおりです。

  • 肌質に合わせる(敏感肌はビタミンC誘導体がおすすめ)
  • 目的に応じて選ぶ(美白はピュアビタミンC、ニキビケアはビタミンC誘導体など)
  • 使用方法や保存方法に注意する

自分に合ったビタミンCを選び、正しく使用することで、より効果的なスキンケアが可能になります。

以下の記事では、ビタミンCの適正量から知っておきたい栄養学についてまで解説しています。サプリメント選びのポイントや具体的な摂取方法を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
>>ビタミンCは摂りすぎても大丈夫?誰もが知っておきたい栄養学の知識

参考文献

Christina D Enescu, Lisa M Bedford, Geoffrey Potts, Fatima Fahs. A review of topical vitamin C derivatives and their efficacy. J Cosmet Dermatol, 2022, 21, 6, p.2349-2359