美白ケアの救世主として名高い「トラネキサム酸」と「ビタミンC」ですが、間違った使い方をすると逆効果になってしまうこともあります。
トラネキサム酸とビタミンCの効果的な併用方法や注意点を解説し、美肌を手に入れるための秘訣を解説します。
以下の記事では、ビタミンCの最適な摂取量に関してまとめています。闇雲に大量に摂取すれば良いわけではないため、ぜひチェックしておきましょう。
>>ビタミンCの最適摂取量とは?健康維持と美肌効果を引き出す方法
目次
トラネキサム酸とビタミンCを安全に併用するためのポイント
シミやくすみ、ニキビ跡など鏡を見るたびにため息が出てしまうお悩みを抱えている方も多いです。美白効果が期待できるトラネキサム酸とビタミンCは、シミやくすみ、ニキビ跡などの悩みに効果的な成分として知られています。
どんなに良い成分でも、使い方を間違えると逆効果になってしまうこともあります。トラネキサム酸とビタミンCを安全かつ効果的に使うためのポイントを解説します。
トラネキサム酸とビタミンCの併用時の注意点と副作用
トラネキサム酸とビタミンCは、併用することでシミ・そばかすを防ぐ効果が期待できます。トラネキサム酸はメラニン生成の過程を阻害し、ビタミンCはメラニンの生成そのものを抑制し、さらにできてしまったメラニンを還元する働きもあります。
しかし、高濃度のトラネキサム酸を内服薬として服用している場合、血栓症のリスクがわずかに上昇する可能性があるという報告があります。過去に血栓症を経験したことがある方や、ピルを服用している方は注意が必要です。
ビタミンCは高濃度の場合、ピリピリとした刺激を感じることがあります。ビタミンCが酸であるため、皮膚に軽い炎症を起こすことがあるからです。皮膚がピリピリする場合は、使用を中止し、低刺激の保湿剤でケアをしましょう。
敏感肌・アレルギー体質の方へのアドバイス
敏感肌やアレルギー体質の方は、トラネキサム酸とビタミンCを使用する際に、慎重になる必要があります。初めて使用する際は、パッチテストを行いましょう。パッチテストは、腕の内側など皮膚の薄い部分に少量塗布し、24時間様子を見ることで、肌への刺激やアレルギー反応を確認できます。
敏感肌の方は、トラネキサム酸やビタミンCの濃度が低い製品から試すのがおすすめです。使用頻度も最初は週に2〜3回程度にし、肌の状態を見ながら徐々に増やしましょう。
妊娠中・授乳中の使用について
妊娠中や授乳中のトラネキサム酸とビタミンCの使用については、まだ十分な研究データがありません。胎児や乳児への影響を完全に否定できないため、使用は控えるのが賢明です。どうしても使用したい場合は、産婦人科医や皮膚科医に相談してください。
使用量・頻度の目安
トラネキサム酸とビタミンCの使用量や頻度は、製品の種類や個々の肌質によって異なります。一般的には、トラネキサム酸配合の化粧水や美容液は、朝晩1回ずつ使用します。ビタミンC配合の化粧水や美容液も、同様に朝晩1回ずつ使用することが多いです。
内服薬の場合は、必ず医師の指示に従って服用してください。トラネキサム酸の内服薬は、1日750~1,500mgを数回に分けて服用するのが一般的です。ビタミンCの内服は、1日1,000mgを目安に摂取します。ただし、過剰に摂取しても体外に排出されてしまうため、必要以上に多くの量を摂取する必要はありません。
トラネキサム酸とビタミンCを併用する場合は、それぞれの製品の使用量や頻度を調整する必要があります。製品の使用方法をよく確認し、自分の肌質に合った使い方を見つけることが大切です。使用中に肌に異常を感じた場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科医に相談してください。
トラネキサム酸とビタミンC配合の化粧水・美容液の効果的な使用手順
トラネキサム酸とビタミンCは、どちらも美白や美肌作りに効果的な成分として知られています。頼もしい2つの成分ですが、スキンケアに取り入れる際、化粧水と美容液のステップを工夫することで効果を最大限に引き出せます。
ビタミンCは水に溶けやすく、お肌への浸透力も高いので、洗顔後、まずビタミンC配合の化粧水を使用します。手のひら、またはコットンに適量を取り、お肌全体に優しく馴染ませましょう。ゴシゴシ擦るのではなく、優しくパッティングするようにすると、より浸透しやすくなります。
ビタミンCの化粧水が肌に馴染んだ後、トラネキサム酸配合の美容液を使用します。手のひら、またはコットンに適量を取り、お肌全体に優しく馴染ませてください。最後に、乳液やクリームで保湿することで、お肌の水分を閉じ込め、ビタミンCとトラネキサム酸の効果をさらに高めることができます。
トラネキサム酸とビタミンCを併用する効果や注意点と製品選びのポイント
トラネキサム酸とビタミンCを併用することで、シミやそばかすの予防からくすみ改善、さらにニキビ跡の赤みケアまで、幅広い効果が期待できます。トラネキサム酸とビタミンCを併用する効果や注意点、製品選びのポイントについて解説します。
トラネキサム酸とビタミンCの併用で期待できる効果
トラネキサム酸は、メラニン生成の指令をブロックする役割を果たします。メラニンを生成する細胞の活動を止める指示を出すことで、シミやそばかすの発生を防ぎます。ビタミンCは、できてしまったメラニンを薄くする作用があります。メラニンを還元する力があり、できてしまったシミやくすみを薄くする効果が期待できます。
トラネキサム酸とビタミンCを併用した治療は、炎症を伴うニキビ跡の赤みにも効果的です。トラネキサム酸の抗炎症作用とビタミンCの抗酸化作用によりシミ・そばかすを防ぐことが期待できます。
トラネキサム酸とビタミンCの併用時の注意点
トラネキサム酸とビタミンCを使用中に、発疹やかゆみなどの症状が出た場合は、すぐに使用を中止し、皮膚科専門医を受診してください。自己判断で他の薬を塗ったり、放置したりすると、症状が悪化する場合があります。赤みや腫れ、強い痛みを伴う場合は、アレルギー反応の可能性も考えられるので、早めの受診が大切です。
製品選びのポイント
トラネキサム酸とビタミンC配合の化粧品を選ぶ際には、成分濃度、配合成分、価格の3つのポイントに注目しましょう。トラネキサム酸は、医薬部外品として販売されているものが効果的です。
ビタミンCは、「ピュアビタミンC」や「ビタミンC誘導体」など、さまざまな種類があります。ビタミンC誘導体は、ピュアビタミンCよりも肌への刺激が少なく、安定性も高いため、敏感肌の方におすすめです。
価格については、高価な化粧品が必ずしも自分に合うとは限りません。配合成分にも注目し、保湿成分が配合されている製品を選びましょう。肌の乾燥を防ぎ、より効果的に美白成分を浸透できます。
トラネキサム酸とビタミンC以外の併用について
美白ケアに励んでいると、あれもこれもとさまざまな成分を試してみたくなる方が多いです。トラネキサム酸やビタミンCに加えて、他の美白成分と併用することで、より効果を高めたいと考えている方もいます。成分同士の相性や、肌への影響を理解せずに併用してしまうと、思わぬ肌トラブルを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
他の美白成分や、美容皮膚科治療との併用について解説していきます。それぞれの成分には異なる特徴や効果があるため、自分の肌質や悩みに合った成分を選び、適切な方法で使用することが大切です。
ハイドロキノンやアルブチンとの併用について
ハイドロキノンは、美白作用を持つ成分です。シミの原因になるメラニン色素の生成を抑制し、できてしまったシミを薄くする効果が期待できます。刺激も強く、赤みや炎症、皮膚の剥脱などの副作用が現れる可能性も高い成分です。特に、敏感肌の方やアトピー性皮膚炎をお持ちの方は、使用に際して慎重になる必要があります。
アルブチンは、ハイドロキノンに比べると、マイルドな美白作用を持つ成分です。ハイドロキノンほど刺激が強くないため、敏感肌の方でも比較的使いやすい成分です。α-アルブチンとβ-アルブチンの2種類があり、α-アルブチンのほうが美白効果が高いとされています。刺激はやや強いため、初めて使用する方はβ-アルブチンから試してみるのがおすすめです。
トラネキサム酸やビタミンCとハイドロキノン、アルブチンを併用する場合、それぞれの成分の濃度や使用頻度、自分の肌の状態に注意することが重要です。高濃度のハイドロキノンをトラネキサム酸やビタミンCと併用すると、肌への負担が大きくなり、炎症やかぶれなどのトラブルを引き起こすリスクが高まります。ハイドロキノンは紫外線に当たるとシミを濃くしてしまうため、日焼け止めを併用し、紫外線対策を徹底することも重要です。
美容皮膚科治療との併用について
トラネキサム酸やビタミンCは、美容皮膚科で行われるさまざまな治療と併用することで、相乗効果が期待できます。ケミカルピーリングやレーザー治療は、シミやくすみ、ニキビ跡などを改善する効果的な治療法ですが、施術後の肌は一時的に敏感になっているため、適切なスキンケアを行うことが重要です。
トラネキサム酸やビタミンCを配合したスキンケア製品を使用することで、炎症を抑え、肌の回復を促進し、治療効果を高めることができます。美容皮膚科治療とトラネキサム酸やビタミンCを併用する際の注意点として、施術後の肌はバリア機能が低下し、デリケートになっているため、刺激の少ない製品を選ぶことが大切です。
施術内容によっては、併用ができない場合もあるので、事前に医師に相談してください。
まとめ
トラネキサム酸とビタミンC、それぞれの効果的な使い方と併用する際の注意点について解説しました。美白に効果的な組み合わせである2つの成分は、正しく使えばシミやくすみ、ニキビ跡などに効果を発揮します。
ビタミンCは化粧水、トラネキサム酸は美容液で使用するのがおすすめです。洗顔後、まずビタミンC化粧水を優しく馴染ませ、トラネキサム酸美容液を使用します。最後に乳液やクリームで保湿し、日焼け止めも忘れずに塗りましょう。
併用する際の注意点として、ビタミンCは高濃度だと刺激が強い場合があるので、自身の肌の状態に合わせて濃度や使用頻度を調整することが大切です。トラネキサム酸には血栓症のリスクがあるため、該当する方は医師に相談しましょう。妊娠中・授乳中の方も同様に、使用前に医師への相談をおすすめします。
以下の記事では、ビタミンCの適正量から知っておきたい栄養学についてまで解説しています。サプリメント選びのポイントや具体的な摂取方法を紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
>>ビタミンCは摂りすぎても大丈夫?誰もが知っておきたい栄養学の知識
参考文献
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- Behzad Iranmanesh, Fatemeh Rastaghi, Najmeh Sadat Hashemi, Roxana Kaveh. Comparison of the Effectiveness of Platelet-Rich Plasma Versus Tranexamic Acid Plus Vitamin C Mesotherapy in the Treatment of Periorbital Hyperpigmentation: A Split-Site, Randomized Clinical Trial. J Cosmet Dermatol, 2024, 23(12), p.4066-4071.