鏡を見るたびに、目元のシワが気になっていませんか? 特に、目の下のシワは加齢によるコラーゲンの減少や紫外線ダメージ、表情筋の使いすぎなど、さまざまな要因が複雑に絡み合って発生します。
この記事では、目の下のシワの原因やメカニズム、特徴や効果的な美容医療をご紹介します。自分に合った方法を見つけて、若々しい目元を取り戻しましょう。
目次
目の下のシワの原因とメカニズム4つ
シワは、いくつかの原因とメカニズムが複雑に絡み合っています。代表的な原因は以下の4つです。
- 加齢によるコラーゲンの減少
- 紫外線による肌ダメージ
- 表情筋の使いすぎによる影響
- 遺伝的要因
目の下のシワの原因とメカニズムについて、できるだけわかりやすく解説します。
加齢によるコラーゲンの減少
肌のハリや弾力を保つために欠かせないのが「コラーゲン」というタンパク質です。コラーゲンは、肌の土台となる鉄筋のようなもので、年齢を重ねるにつれて減少します。
コラーゲンが減ると、肌の土台が弱くなり、ハリや弾力が失われてしまいます。肌は重力に負けてしまい、シワになりやすくなるのです。特に、目の周りの皮膚は薄くてデリケートなため、コラーゲンの減少による影響を受けやすい部分と言えます。
紫外線による肌ダメージ
太陽の光を浴びると、肌は紫外線を浴びます。紫外線は、肌のコラーゲンやエラスチンなどの弾力線維にダメージを与え、肌の老化を促進させる原因の一つです。紫外線を浴び続けると、肌は弾力性を失い、乾燥しやすくなります。乾燥した肌は、柔軟性を失ってシワができやすいです。
紫外線の影響は、日焼け止めクリームを塗るなどして、日頃から予防することが大切です。若い頃から紫外線対策をしてきたかどうかで、将来の肌の状態は大きく変わります。
表情筋の使いすぎによる影響
表情を作る際に使われるのが「表情筋」と呼ばれる筋肉です。表情筋は、肌のすぐ下にある薄い筋肉で、顔の表情を作るために、伸び縮みを繰り返しています。
表情筋を使いすぎると、肌に負担がかかり、シワの原因になります。目の周りの筋肉は、他の部分の表情筋と比べて、薄くて繊細なため、シワができやすい部分と言えます。
遺伝的要因
目の下のシワは、遺伝的な要因も関係しています。両親や祖父母など、血縁者に目の下のシワが多い場合、遺伝的にシワができやすい体質の可能性があります。
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>>目の下のたるみを取りたい!原因や治療法、自力でできる対策も紹介
目の下のシワの特徴5つ
「目の下のシワ」といっても、原因や状態によって対処法が変わることがあります。目の下のシワの特徴は以下のとおりです。
- 乾燥による表皮性のシワ
- ハリの低下による真皮性のシワ
- くぼみが目立つ涙袋のシワ
- 表情筋による動的シワ
- 深いシワの形成が見られる静的シワ
ご自身のシワの特徴を正しく理解して、適切なケアを行いましょう。
乾燥による表皮性のシワ
乾燥による表皮性のシワとは、肌の表面にある表皮と呼ばれる部分が乾燥することによってできる浅いシワです。肌は水分が不足すると、表面がカサカサになり、細かいシワができやすくなります。初期段階では、適切なスキンケアで改善できる可能性が高い特徴があります。
ハリの低下による真皮性のシワ
ハリの低下による真皮性のシワは、肌の奥にある真皮と呼ばれる部分のコラーゲンやエラスチンなどの成分が減少してできる、少し深いシワです。真皮は肌の弾力を保つ役割を果たしています。
加齢や紫外線などの影響によって、コラーゲンやエラスチンが分解され、量が減少してハリや弾力が失われていきます。肌は重力に負けてたるみ、シワが刻まれます。
くぼみが目立つ涙袋のシワ
くぼみが目立つ涙袋のシワとは、目の下のふくらみである涙袋の下にできるシワのことです。加齢によって目元の脂肪が減少し、皮膚がたるむことで、涙袋の下にくぼみができ、影になってシワが目立ってしまいます。
表情筋による動的シワ
表情筋による動的シワは、笑ったり、顔をしかめたりするなど、表情を作る際にできるシワです。表情筋は、皮膚と密接につながっているため、繰り返し表情を作ることで、皮膚にも負担がかかり、シワが刻まれやすくなります。
目尻の笑いジワは、多くの人が経験する動的シワの一つです。若い頃は、表情が豊かと言われることもありますが、年齢を重ねるにつれて、同じ場所にシワが刻まれやすくなるため、注意が必要です。
深いシワの形成が見られる静的シワ
深いシワの形成が見られる静的シワとは、表情を作っていない状態でも、常に刻まれているシワのことです。加齢による肌の弾力低下や、長年の紫外線ダメージの蓄積などにより、真皮のコラーゲンやエラスチンが著しく減少します。皮膚のたるみが進行し、深いシワが形成されていくのです。
静的シワは、一度できてしまうと自然に消えることは難しく、スキンケアだけで改善するのは困難です。
目の下のシワ改善に効果的な美容医療4選
目の下のシワ改善に効果的な美容医療は以下の4つです。
- PRP療法による肌再生
- レチノールを用いたスキンケア
- フェイスリフト手術
- ケミカルピーリング
- ボトックス注射
目元のシワ改善に効果的な美容医療について、費用相場も交えながら解説します。
PRP療法による肌再生
PRP療法は、自分の血液から採取した血小板を濃縮したPRP(多血小板血漿)を注入することで、肌の再生を促す治療法です。PRPには、細胞の成長や修復を促す成長因子が豊富に含まれており、肌のターンオーバーを促進して、コラーゲンやエラスチンの生成を促します。
患者の皆さまの血液成分を使用するため、アレルギー反応などのリスクが低いことも大きな特徴です。PRP療法による肌再生のメリットは以下のとおりです。
- 自分の血液を使用するため、アレルギー反応などのリスクが低い
- 自然な肌再生を促すため、効果が長持ちしやすい
- ダウンタイムが短い
PRP療法による肌再生のデメリットは、効果の実感までに時間がかかる場合や複数回の治療が必要となる場合があります。費用相場は1回あたり5~15万円程度です。
PRP療法による肌再生をおすすめしたいのは以下の方です。
- 自然な方法で肌を若返らせたい方
- 肌のハリや弾力を改善したい方
ニキビ跡や傷跡の改善にも効果が期待できます。
レチノールを用いたスキンケア
レチノールは、ビタミンAの一種で肌のターンオーバーを促進し、コラーゲンやエラスチンの生成を促す効果があります。シワやたるみだけでなく、シミやそばかす、ニキビや毛穴の開きなど、さまざまな肌悩みに効果が期待できる成分です。
濃度や使用頻度によっては、肌への刺激が強すぎる場合もあるため注意が必要です。妊娠中や授乳中の方は、使用を控えましょう。レチノールを用いたスキンケアのメリットは以下のとおりです。
- 比較的安価に入手できる
- 自宅で手軽にケアできる
- シワやシミ、ニキビなど、さまざまな肌悩みに効果が期待できる
レチノールを用いたスキンケアのデメリットは以下のとおりです。
- 効果が現れるまでに時間がかかる
- 肌質によっては、赤みや乾燥などの副作用が出る場合がある
- 妊娠中や授乳中の人は使用を控える必要がある
費用相場は商品によって異なりますが、数千円~1万円程度で購入できるものが多いです。レチノールを用いたスキンケアは以下のような方におすすめです。
- 自宅で手軽にシワを改善したい方
- 肌のハリや弾力をアップしたい方
- シミやニキビなどの肌悩みも同時にケアしたい方
フェイスリフト手術
フェイスリフト手術は、たるんだ皮膚や皮下組織を引き上げることで、顔全体のシワやたるみを改善する手術です。メスを使って皮膚を切開し、余分な皮膚や脂肪を取り除いたり、たるんだ筋肉を引き締めたりすることで、若々しい顔立ちを手に入れられます。
美容医療の中でも効果の高い治療法ですが、ダウンタイムや費用も大きいです。そのため、医師とよく相談したうえで、手術を受けるかどうかを判断する必要があります。
ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、薬剤を使って古い角質を取り除き、肌のターンオーバーを促進する治療法です。肌の表面に薬剤を塗布することで、古い角質が剥がれ落ち、新しい肌細胞の生成が促されます。
ケミカルピーリングは、シワだけでなく、ニキビ跡や毛穴の開き、肌のくすみなどにも効果が期待できます。ケミカルピーリングのメリットは以下のとおりです。
- シワやニキビ跡、毛穴の開きなど、さまざまな肌悩みに効果が期待できる
- 比較的安価で施術を受けられる
- ダウンタイムが短い
ケミカルピーリングのデメリットは以下のとおりです。
- 肌質によっては、赤みや乾燥などの副作用が出る場合がある
- 複数回の治療が必要となる場合がある
ケミカルピーリングの費用相場は、1回あたり5,000~2万円程度です。ケミカルピーリングは以下の方におすすめです。
- 肌のくすみやごわつきが気になる方
- 毛穴の開きやニキビ跡を改善したい方
- シワを予防したい方
ボトックス注射
ボトックス注射もおすすめです。ボトックス注射は、筋肉の動きを抑制することでシワを改善できます。効果の持続期間は3〜6か月程度で、施術後すぐにメイクをしてお帰りいただくことも可能です。
効果が高い反面、費用がかかるというデメリットもあります。個人の状態や希望する効果によって適切な施術が異なるため、カウンセリングを受けて慎重に検討することが大切です。
当院のボトックス注射は打つ部位にもよりますが、 3万円台から打つことができます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>ボトックス注射|銀座アイグラッド
まとめ
目の下のシワは加齢によるコラーゲン減少や紫外線ダメージ、表情筋の使いすぎ、遺伝的要因など、さまざまな原因で起こります。 目の下のシワの特徴は以下の5つです。
- 乾燥による表皮性のシワ
- ハリの低下による真皮性のシワ
- くぼみが目立つ涙袋のシワ
- 表情筋による動的シワ
- 深いシワの形成が見られる静的シワ
目元のシワ改善には、PRP療法やレチノールを用いたスキンケア、フェイスリフト手術やケミカルピーリングなど、さまざまな美容医療があります。ご自身のシワの原因や状態、希望される効果などを考慮し、医師と相談して適切な治療法を選びましょう。
シワだけでなく、たるみが気になる方もいるのではないでしょうか。頬のたるみやフェイスラインのたるみが気になる方は以下の記事もぜひチェックしてみてください。
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参考文献
- Trinh LN, Grond SE, Gupta A. Dermal Fillers for Tear Trough Rejuvenation: A Systematic Review. Facial plastic surgery::FPS 38, no. 3 (2022):228-239.
- 0.1%安定化バイオアクティブレチノールの局所投与に関する研究. J Drugs Dermatol. 2024;23(4):doi:10.36849/JDD.8124.
- 000975769.pdf (mhlw.go.jp)
- シワ予測 | 研究の強み | 研究開発 | 株式会社コーセー 企業情報サイト (kose.co.jp)