瞼のたるみが気になる人必見!原因や改善方法、眼瞼下垂との違いを徹底解説

2024.09.29 更新

「最近、目が小さくなった…」「疲れた印象に見られる…」と感じたら、瞼のたるみが始まっている可能性があります。 瞼のたるみは見た目年齢を上げるだけでなく、視野を狭くしたり、肩こりや頭痛を引き起こしたりすることがあります。本記事では、瞼のたるみの原因から改善方法まで、専門医の視点から詳しく解説します。

術療法はもちろん、毎日の生活に取り入れられる簡単な方法から、最新の美容医療まで幅広く解説するので、あなたに合った対策が見つかる可能性があります。

瞼のたるみの原因と種類

瞼のたるみは、加齢とともに誰にでも起こりうる変化です。瞼のたるみの原因は、主に以下のとおりです。

  • 加齢による皮膚の老化
  • 眼輪筋や眼瞼挙筋の衰え
  • 紫外線によるダメージ
  • ドライアイ
  • コンタクトレンズの長期使用
  • 眼瞼下垂症

加齢による皮膚の老化

年齢を重ねると、顔のシワやたるみと同様に、瞼も老化するのは自然な現象です。お肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンといった成分が、年齢とともに減少して瞼の皮膚も弾力を失い、たるんでしまいます。

20代の頃のハリと弾力のあるお肌と、50〜60代のお肌を比べてみると、一目瞭然です。長年紫外線などのダメージを受けてきたことや、体内で作られるコラーゲンやエラスチンの量が減ってしまうことが原因です。瞼の皮膚は薄く、より老化の影響を受けやすくなっています。

眼輪筋や眼瞼挙筋の衰え

瞼は、眼輪筋と眼瞼挙筋という筋肉によって支えられています。眼輪筋は、瞼を閉じるときに使う筋肉で、眼瞼挙筋は、瞼を開くときに使う筋肉です。筋肉が加齢とともに衰えてしまい、瞼をしっかりと支えきれなくなることでたるみが生じます。

紫外線によるダメージ

紫外線は、シミやそばかすの原因になるだけでなく、お肌の弾力を奪い、たるみを引き起こす原因にもなります。瞼の皮膚は薄くてデリケートなので、紫外線のダメージを受けやすいです。日焼けをすると、肌が赤くなったり、ヒリヒリしたりすることがありますが、紫外線によって皮膚に炎症が起きている状態です。

炎症が繰り返されることで、肌の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが破壊され、たるみやシワなどの老化現象につながります。

ドライアイ

ドライアイとは、涙の量や質の問題で目の表面が乾燥する病気です。症状の進行度によってまばたきの回数に異なる影響を与えます。初期段階では、目を保護するために無意識にまばたきが増加することがあります。しかし、症状が進むと瞼が重くなり、まばたきの回数が減少することもあります。また、長時間のデジタル機器使用など集中を要する作業中は自然とまばたきが減ります。

まばたきの減少は涙の分布を妨げ、ドライアイをさらに悪化させる可能性があります。

コンタクトレンズの長期使用

コンタクトレンズは、まばたきのたびにレンズが上下に動くため、瞼への負担が大きくなりやすいです。長期間にわたってコンタクトレンズを使用し続けると、瞼が引っ張られる力が持続的にかかるため、皮膚が伸びてしまい、たるみの原因となる可能性があります。

眼瞼下垂症

瞼のたるみと症状が似ている病気として、眼瞼下垂症(がんけんかすいしょう)があります。眼瞼下垂症は、瞼を上に持ち上げる筋肉(眼瞼挙筋)が弱くなったり、筋肉を動かす神経に異常が起こったりして、瞼が垂れ下がる病気です。

眼瞼下垂症の場合、瞼が重く感じて、視界が狭くなるだけでなく、肩こりや頭痛などの症状が現れることもあります。眼瞼下垂症は適切な治療を行うことで症状を改善できる可能性があります。瞼のたるみが気になる場合は、自己判断せずに医師に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。

目の下のたるみが気になる方は以下の記事もぜひチェックしてみてください。
>>目の下のたるみを取りたい!原因や治療法、自力でできる対策も紹介

瞼のたるみが引き起こす症状と影響

瞼のたるみは、単に見た目の印象が老けるだけでなく、日常生活に支障をきたすさまざまな症状を引き起こします。瞼のたるみが引き起こす症状や影響は以下のとおりです。

  • 視野が狭くなる(視野狭窄)
  • 肩こりや頭痛
  • 目元の疲れ
  • くぼみや影による老けた印象
  • 瞼の重さ

視野が狭くなる(視野狭窄)

瞼のたるみが強くなると、瞼が視界を遮ります。帽子を深くかぶったときに視界が狭くなるように、たるんだ瞼が目の上にかかってしまいます。

視野が狭くなると、最初は「なんとなく見にくい」と感じる程度です。視野狭窄が進行すると、家の中で家具にぶつかりやすくなったり、段差につまずいて転倒したりする危険性も高まります。高齢者の場合、骨折などの大きな怪我につながる可能性もあるため、注意が必要です。

自動車の運転にも大きな影響を与えます。周囲の車や歩行者を認識するのが遅れ、危険な状況に陥る可能性も高まります。

肩こりや頭痛

目が疲れることで肩が凝るのは、目と肩や首の筋肉が密接に関係しているためです。瞼がたるむと、無意識のうちに額や眉を持ち上げて目を開けようとします。この状態が長時間続くと、額や眉、こめかみの筋肉が常に緊張して疲労します。やがて、筋肉の緊張が肩や首にまで伝わり、慢性的な肩こりや頭痛を引き起こします。

視野が狭くなることで、無意識に頭を動かす範囲が広くなることも、首や肩への負担を増大させる一因となります。

目元の疲れ

瞼のたるみによって目が疲れやすくなるのは、たるんだ瞼を持ち上げようと、目元の筋肉が常に緊張を強いられるからです。ドライアイの進行に伴い、瞼の重さが増すことでまばたきの頻度が低下します。眼球表面の潤いが保たれにくくなり、乾燥状態が悪化します。その結果、ドライアイの症状が悪くなり、目の疲れや痛み、視界のぼやけ、異物感などの不快な症状が顕著になります。

まばたきの減少と眼の乾燥は悪循環を生み出し、全体的な眼の健康状態を悪化させる要因となります。適切な治療や管理がなければ、さらなる症状の悪化につながる可能性があります

くぼみや影による老けた印象

瞼のたるみによって目元にくぼみや影ができやすいのは、たるんだ皮膚が影を作り出すからです。上瞼がたるむと目が奥まって見えたり、二重瞼の人は二重の幅が狭くなってしまったりすることで、疲れた印象や老けた印象を与えます。

下瞼がたるむと、目の下に影ができやすく、クマが目立つ原因にもなります。

瞼の重さ

瞼のたるみによって、瞼が重く感じる場合もあります。たるんだ皮膚の重みによって、瞼が下向きに引っ張られるためです。ひどい場合には、視界が狭くなり、日常生活に支障が出てしまうケースもあるため注意しましょう。

顔のたるみが気になる方は以下の記事もぜひチェックしてみてください。
>>顔のたるみが治った方法とは?即効性がある方法や意外な習慣も解説

瞼のたるみを改善する方法

瞼のたるみを改善する方法は、主に以下のとおりです。

  • 手術療法(埋没法)
  • レーザー治療
  • マッサージ
  • アイテープ
  • 市販薬や化粧品

瞼のたるみは見た目の印象を老けさせるだけでなく、視野狭窄や肩こり、頭痛などの日常生活への影響を及ぼすこともあります。瞼のたるみを改善したい方は参考にしましょう。

手術療法(埋没法)

埋没法は、瞼の裏側に極細の糸を埋め込み、皮膚を折りたたむようにして固定する方法です。たるみが比較的軽度の場合や、皮膚のたるみが中心で脂肪が少ない場合に適しています。

切開を伴わないため、傷跡が目立ちにくく、ダウンタイムもありません。デメリットは、効果の持続期間が短い傾向がある点です。瞼の厚みが強い場合には、適応できないこともあります。

レーザー治療

レーザー治療は、メスを使わずに皮膚にレーザーを照射して、たるみを改善する方法です。レーザーの熱エネルギーが、肌の真皮層に働きかけ、コラーゲンやエラスチンの生成を促進します。

レーザー治療はメスを使わないため、傷跡が残りにくく、ダウンタイムも短いです。効果が出るまでに時間がかかる場合があり、複数回の施術が必要となることもあります。効果の持続期間も短い傾向です。

マッサージ

マッサージは、毎日のスキンケアに簡単に取り入れられる方法です。継続することで、血行促進効果や、リンパの流れを良くする効果などが期待できます。結果、肌の新陳代謝が促され、たるみの予防や改善効果を得ることが可能です。

特におすすめのマッサージ方法を解説します。

効果的なマッサージ方法

瞼のたるみ改善のため、下記のマッサージをしてみてください。

  • 目の周りを温める
    ※マッサージ前にホットタオルなどで目を温めると、より血行が促進される
  • 目の周りの骨に沿って、優しく円を描くようにマッサージする
  • 眉頭の下にある「攅竹(さんちく)」と呼ぶツボを、優しく押す
  • 目尻からこめかみにかけて、優しくマッサージする

アイテープ

アイテープは、瞼に貼ることで、物理的にたるみを持ち上げる方法です。手軽に試せる点が魅力ですが、あくまで一時的な効果であることを理解しましょう。特別な予定があるときなど、一時的に目元の印象をスッキリさせたい場合に便利です。

生活習慣の改善

瞼のたるみは、加齢だけでなく、生活習慣の乱れも関係します。下記のような健康的なライフスタイルを送ることで瞼のたるみを改善できます。

  • 規則正しい生活
    睡眠不足は、成長ホルモンの分泌を阻害し、肌のターンオーバーを乱し、たるみの原因になります。
  • バランスの取れた食事
    たんぱく質やビタミン、ミネラルなど、肌に必要な栄養素をバランス良く摂取しましょう。コラーゲンの生成を促すビタミンCや、抗酸化作用の高いビタミンEを積極的に摂ることがおすすめです。
  • 適度な運動
    適度な運動は、血行を促進し、肌の新陳代謝を高めます。軽い運動を習慣的に行いましょう。
  • 紫外線対策
    紫外線は、肌の老化を促進させる大きな要因の一つです。日焼け止めを塗ったり帽子やサングラスを着用したりして、紫外線から肌を守りましょう。
  • 禁煙
    喫煙は、血行不良を引き起こし、肌の老化を促進させる原因です。

市販薬や化粧品

市販薬や化粧品の中には、瞼のたるみを改善する効果を謳うものもあります。有効成分が配合されているため、毎日のスキンケアに取り入れることで、たるみを予防・改善する効果が期待できます。

効果的な成分

瞼のたるみには、下記の成分が有効です。

  • レチノール
    ビタミンAの一種で、肌のターンオーバーを促進し、コラーゲンの生成を促す効果があります。
  • ビタミンC誘導体
    ビタミンCを安定化させた成分で、コラーゲンの生成を促進し、メラニンの生成を抑える効果があります。
  • コラーゲン・エラスチン
    肌の弾力やハリを保つために必要な成分です。

まとめ

瞼のたるみは加齢や紫外線、生活習慣などが原因です。見た目の印象を老けさせるだけでなく、視野狭窄や肩こり、頭痛などを引き起こす可能性があります。

改善する方法は以下のとおりです。

  • 手術療法(埋没法)
  • レーザー治療
  • マッサージ
  • アイテープ
  • 市販薬や化粧品

それぞれにメリット・デメリットがあり、たるみの程度やライフスタイルに合わせた選択が重要です。不安や迷いを感じたときは、セルフケアだけでなく専門医に相談しましょう。

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参考文献

Landau Prat D, Sandbank S, Davidy T, Zloto O, Ben Simon GJ. Reduced Tissue Response with Topical Khat Leaves after Eyelid Surgery:Preliminary Findings. The Israel Medical Association journal :IMAJ 24, no. 8 (2022):509-513.